名選手で名監督…勝利至上“オレ流”采配に賛否

[ 2011年9月22日 18:08 ]

 現役時代に3度の三冠王に輝き、指揮官として7年間で3度リーグ優勝を果たした。落合監督は名選手でありながら、名監督となった数少ない野球人だ。

 忘れられないのが2007年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦。8回まで完全試合の快投を演じていた山井を代え、9回は抑えの岩瀬に託した。中日は1―0で勝ち、53年ぶりの日本一になった。

 この采配には賛否両論が巻き起こった。だが、リーグ2位からの日本シリーズ進出だったことも考えれば、史上初の快挙を見届けたかったという声は今も根強い。

 「勝つことが最大のファンサービス」と公言してきたが、守り勝つスタイルは興行面で限界を感じさせていた。ある球団幹部は「勝利と華やかさを両立させるのは難しい」と言う。「玄人受けはしても、ファンにとっては地味すぎる」と話す人もいた。

 落合監督の勝利至上主義は理解できる。しかし、プロ野球は興行であり、エンターテインメントだ。時代の流れとともに、求めるものは変わってくる。星野元監督(現楽天監督)のようにチームの顔として積極的に前面に出ることはなかった。ファンの存在をもっと意識してもよかった。

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2011年9月22日のニュース