指揮官「全盛期のよう」石井一、本領10K

[ 2011年5月19日 06:00 ]

<西・横>勝利投手の石井一(手前)と中島は、ファンとハイタッチしビクトリーロードを引き揚げる

交流戦 西武5-2横浜

(5月18日 西武D)
 西武・石井一が、今季初めて本拠地でのお立ち台に上がった。その最後に、球界のエンターテイナーらしく笑いを取った。

 「コンタクトレンズがずれていて、あまり皆さんが見えないんですけど、ありがとうございました」

 直球の最速も、らしく147キロ。「西武ドームは(スピードガン表示が)今年から速くなったので」と素っ気ないが、渡辺監督が「全盛期のような球を投げていた」と評するほどの球威があった。唯一のピンチとなった4回無死一、三塁の場面では、村田、ハーパーを直球で連続三振。続く一輝には2ストライクから直球を中前に運ばれ失点しただけに「気をつけて投げていれば三振が取れたと思います」と反省も忘れなかった。

 4日のロッテ戦(西武ドーム)では3回途中6失点KO。2度の雨天中止で、中13日の登板だった。「前回は悔しい思いをしたので」と、黙々と走り込みながら雪辱の舞台を待っていた。無四球には「らしくないですね」と笑ったが、マウンドでは、らしい姿に戻った。

 奪った三振は10個。日本で積み上げた三振は1962とし、大台まで38に迫った。高校時代からドクターKとしてプロ入り。三振に対する思い入れはこうだ。「僕の場合は一番手っ取り早いアウトの取り方が三振なので。内野ゴロを打たせる方が難しい」。三振を取りたい、ではなく、勝つために必要な手段でしかない。直球とカーブ。主に2種類で三振を奪い続け、日米通算20年もマウンドに立っている。

 チームは今季2度目の3連勝で借金を3に減らした。その立役者となった石井一は「チームも僕もこれからだと思うので」と巻き返しを誓った。

 ▼西武・銀仁朗(石井一を好リード、打撃では2安打1打点)あまり制球が良くないカズさんが、きょうは決まっていました。全体的に良かったです。

 ▼西武・小野投手コーチ(石井一について)さすがベテラン。制球力が要。

 ≪2桁奪三振、歴代単独8位に≫石井一(西)が7回10奪三振で今季2勝目。2桁奪三振は昨年5月19日のヤクルト戦以来で、歴代単独8位の通算41度目になった。通算奪三振は、この日の10個を加え1962(日米通算2397)。スタルヒン(トンボ=1960)を抜く国内歴代22位に浮上し、史上20人目の2000奪三振にはあと38個に迫った。なお、過去の最速2000奪三振は江夏豊(西)の2072イニングとなっており、現在1916回1/3の石井一には大幅な記録更新が期待される。

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