右肘靱帯損傷か…DL入り松坂、前半戦絶望か

[ 2011年5月19日 06:00 ]

17日のオリオールズ戦で5回途中、肩を落としマウンドを降りる松坂

 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が右肘の故障で長期離脱することが17日(日本時間18日)、分かった。この日MRI(磁気共鳴画像装置)検査を受け、右肘の靱帯(じんたい)に何らかの損傷が見つかったもよう。メジャー5年目で6度目の故障者リスト(DL)入りが決まった。テリー・フランコナ監督(52)も期限を設けず、治療に専念させる方針で、前半戦中の復帰も微妙となった。

 クラブハウスに姿を現した松坂の表情は、症状の深刻さを物語るように沈んでいた。午後7時10分試合開始のオリオールズ戦の雨天中止が決まると、この日はノーコメントとの旨を広報に伝えて球場を去った。

 前日のオ軍戦登板後にフランコナ監督と話し合い、午前中にMRI検査を受けた。正式な診断結果は発表されなかったが、同監督は「必要な期間、休ませることになる。復帰の時期を示すのは不可能。医師にすら分からない」と無期限で治療に当たらせる考えを示し、18日(日本時間19日)にDL入りの措置を取ることを即決した。球団関係者の話を総合すると、右肘の靱帯に損傷が見つかったもようで、重症といえるものだった。

 4月29日のマリナーズ戦で、5回にイチローと対戦した際に右肘に違和感を訴えて緊急降板。その時点ではチームドクターの診断でも異常は見つからなかった。その後、メジャー初の救援登板をはさみ、5月8日のツインズ戦で3勝目。そして登板間隔を空けて、16日のオリオールズ戦に登板したが、腕の振りが鈍く直球の最速は91マイル(約146キロ)止まりで、試合後は松坂も「きょうも腕は全然振れてなかった。(原因は)分からない」と話していた。違和感を完全に拭い切れないまま登板を重ね、悪化させた可能性もある。

 投球の根幹を成す部位だけに復帰までは相当な時間を要する。09年6月に右肩痛でDLした際には、キャッチボール再開は15日後だった。少なくとも5月中のスローイングは禁止となるのは確実。6月上旬からスローイングを含めたリハビリを開始しても、マイナー戦登板も含めて、メジャー復帰には1カ月以上かかる。スローイング開始が遅れれば、前半戦の復帰は難しくなる。

 18日(同19日)にも、医師、球団と話し合いを行い、治療や当面のリハビリ方針が決まるが、米通算50勝を目前にしての戦線離脱。2年連続で2桁勝利を逃し「今年は何があっても投げ抜くつもりでいる。年間ローテーションを守ることが最低限の目標」と並々ならぬ決意で臨んだ5年目のシーズンだっただけに、松坂の精神的ショックは計り知れない。

 【松坂の過去のDL】

 ▼08年5月 5月27日マリナーズ戦で右肩に違和感を訴え4回で緊急降板。精密検査で「右肩回旋筋の軽度の張り」と診断。6月21日カージナルス戦で復帰。

 ▼09年4月 4月14日アスレチックス戦で1回KO。右肩の疲労が深刻で、15日にDL入り。メジャー復帰は5月22日メッツ戦。

 ▼09年6月 6月21日にシーズン2度目のDL入り。股関節痛も抱えており、首脳陣から一から体をつくり直すよう指示。フォートマイヤーズでのリハビリを経て、復帰は9月15日のエンゼルス戦にまでずれ込んだ。

 ▼10年4月 2月のキャンプ直前から首と背中の痛みを訴え出遅れ。4月の開幕をDL入りで迎える。マイナーでの調整を経て、5月1日オリオールズ戦で復帰登板した。

 ▼10年6月 6月12日フィリーズ戦の登板直前に右前腕外側の張りを訴え登板回避し、即DL入り。症状は軽く、同24日のロッキーズ戦で復帰先発した。

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