ダル“シナリオ通り”5連勝で通算80勝到達

[ 2011年5月19日 06:00 ]

<日・ヤ>7回2死、鬼崎を三振にとり、叫ぶダルビッシュ

交流戦 日本ハム3-0ヤクルト

(5月18日 札幌D)
 シナリオ通りの打球に、日本ハム・ダルビッシュは派手なガッツポーズを繰り返した。1点リードの6回1死一、三塁、打席にはリーグ2冠のバレンティン。4回には右翼フェンス直撃の二塁打を許している。初球、技術の粋を凝らして低めに落ちる150キロツーシームを投げ込んだ。

 「強い打球のショートゴロを打たせようと思った。横に曲げるとバットを折ってボテボテのゴロになるけど、落として芯の近くに当てさせれば(併殺になる)。その通りになって自分でも怖かった。終わってみればあそこが一番のポイント」。握りは変えずリリース時の力加減で自在に操るツーシームで、筋書き通りに遊ゴロ併殺に斬った。

 それだけではない。127球中、41球が150キロを超えながら、膝元に食い込むツーシームでホワイトセルのバットも2本折った。「バレンティンは何を振ってくるか分かった。次対戦したら二塁打は打たれません。ヤクルトも熱は感じなかった。僕に苦手意識を持っているのではないですか」。ジャスト100キロのカーブに、154キロの速球で緩急の差は54キロに達した。セの首位チームを8回5安打無失点。4月12日の西武との開幕戦(札幌ドーム)で自己ワーストの7失点KOされて以降、5連勝で両リーグトップタイに躍り出た。

 あくなき向上心。それが100キロのボディーをフル活用してもバテない源だ。トレーニング法はソフトバンク・和田、杉内らから積極的に吸収した。尊敬する先輩・岩隈とは球種について常に意見交換している。球宴や国際試合を通じて築いた輪を生かし、常に可能性を磨いてきた。球威、変化球の切れ、制球力と投手に求められる総合力で、国内にライバルはいない――と自負している。

 積み重ねた白星は80に達した。「79勝とか80勝はどうでもいい。そこを目指しているわけではありません」。ある意味「神の領域」に踏み込みつつダルビッシュに、隙は見当たらない。

続きを表示

2011年5月19日のニュース