中田プロ初、右方向弾!自分でも「びっくり」

[ 2011年5月8日 06:00 ]

<日・ソ>5回1死二塁、プロ初の右方向へ2ランを放った中田

パ・リーグ 日本ハム3-2ソフトバンク

(5月7日 札幌D)
 鈍い音を発した中田の打球はぐんぐん伸びた。そしてそのまま右翼ポール際に吸い込まれた。

 「切れるかなと思ったし、あそこまで伸びるとは思わなかったのでびっくりした」。2点を追う5回。141キロ直球を仕留めた2戦連発、プロ13本目のアーチは自身初の右越え弾。値千金の同点4号2ランとなり、逆転勝利を呼び込んだ。相手は昨季チームが4完封を食らった天敵・杉内。球界を代表する左腕から自身初の一撃に「杉内さんから打てたことが凄くうれしい」と振り返った。

 重心を低く、両脇を締めてコンパクトなスイングに徹した。真芯で捉えたことは、打球がスライス回転してファウルにならなかったことが証明していた。オフから同郷の金本(阪神)らとのトレーニングで徹底して股関節を中心に鍛えた。9本塁打とブレークしかけた昨年は、秋口から下半身の踏ん張りが利かなくなって尻すぼみに終わった。その反省から鍛え抜いた下半身で、打撃フォームが安定。右方向への打球も力強さを増した。梨田監督も「相撲の股割りのように、重心を低く自分の体重をうまくボールにぶつけている」とその打撃技術を評価した。

 試合後のお立ち台では、決勝弾の二岡に「中田の品のない本塁打より、僕の方が品があった。“美しさ”は僕が思っているだけでなくて、誰が見てもだと思いますけど」とその豪快な弾道をちゃかされたが「チームの勝利につながったら(品がなくても)関係ありません」と即答して球場を沸かせた。開幕直後は19打席連続無安打と苦しんだが、打率は・276まで急上昇。17打点はリーグ2位と、今やチームになくてはならない存在だ。

 「チームが最終的に優勝して、自分がそれに貢献できたらうれしい」。闘志を内に秘めたこの謙虚な姿勢が、相手投手を震え上がらせている。

 ▼日本ハム田中打撃コーチ(中田は)ヘッドスピードが速いから打球が飛ぶ。もっともっとレベルアップしてほしい。彼ならこのチームのNo・1、球界のトップになれる。

 ≪全4本とも殊勲打≫中田(日)が5回に今季4号の同点2ラン。中田の過去の12本塁打は全て中堅から左方向(左7、左中3、中2)で、右方向の一発は自身初めてとなった。今季の本塁打は先制、逆転、先制、同点と全4本が殊勲安打。殊勲本塁打4本は、松田(ソ)の3本を上回りパ最多。これで5月は6試合で打率.409、3本塁打、10打点と絶好調。昨季9本塁打はすべて7、8月だったが、今季は早い段階から数字を伸ばしている。

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2011年5月8日のニュース