連敗止めた!塩見“監督と同じ5・5”プロ初勝利

[ 2011年5月6日 06:00 ]

<ソ・楽>プロ初先発で初勝利を上げた塩見

パ・リーグ 楽天4―0ソフトバンク

(5月5日 ヤフーD)
 楽天・塩見のプロ初登板初勝利のウイニングボールは遅れて届けられた。最後に投げたサンチェスがスタンドに投げ入れて騒然。ベンチ総出で「返して!」と叫び、塩見は戻ってきた記念すべきボールをうれしそうに握りしめた。

 「ボールは家に送ります。いい形で連敗を止めて、チームの勝利に貢献できて良かった」。3連敗中で負ければ今季初の借金生活。しかし強心臓ルーキーはプレッシャーとは無縁だ。初回、松井稼の失策などで無死一、二塁のピンチも動じない。「腕を思い切り振ろう」。松田を遊飛、カブレラを空振り三振。いずれも最大の武器である内角に食い込む直球「クロスファイア」で仕留め、最後は小久保からフォークで空振り三振を奪った。

 6回4安打無失点。直球は最速143キロながら腕の振りが鋭く、切れが抜群だった。変化球を投げても腕が緩まないから打者は手を出してしまう。2回以降も内角を徹底的に突く強気の投球。少しでも制球ミスがあれば長打されるが「怖いんですけど、そこを思い切っていかないと打ち取れない」と振り返った。

 外れ1位もヤクルトとの競合で星野監督が引き当てた逸材。先発として大きく育てる方針から開幕は2軍スタートとなった。先発陣に初めて左腕が加わり、チームも救った孝行息子の誕生に星野監督も「スゲエよ」と感謝した。指揮官もくしくも42年前、69年のこどもの日にプロ初勝利。「俺も覚えているし、塩見も一生忘れないだろう」と感慨深げだった。

 甲子園経験はなく、3年夏は駒大苫小牧の田中と早実・斎藤の決勝戦をせん望の眼差しで見ていた。あれから4年。田中とは同僚になり、日本ハムの斎藤とは新人王を争う。「まだまだ未熟だけど、最終的に(新人王を)勝ち取りたい」。孝行息子は力強く、頼もしい言葉で締めくくった。

 ◆塩見 貴洋(しおみ・たかひろ)1988年(昭63)9月6日、大阪生まれ。1メートル82、77キロ。左投げ左打ち。中学までは野手。帝京五から投手に転向し、3年夏はエースで県大会ベスト8。八戸大では腰痛に苦しみ3年から頭角を現す。北東北大学リーグ戦通算15勝1敗。4年秋の明治神宮大会の東北代表決定戦では東北福祉大を相手に無安打無得点。

 ☆趣味 音楽鑑賞。登場曲はChris Brownの「Yeah 3x」。

 ☆好きな女性のタイプ AKBの大島優子。明るくて元気な子が好み。 

 ☆ライバル 八戸大で同級生だった西武の秋山。球界を代表する打者との対戦には関心を示さず、唯一対戦したい打者に挙げる。 

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