松坂、2413日ぶり救援で悪夢…次回先発は延期?

[ 2011年5月6日 06:00 ]

エンゼルス戦の延長13回2死満塁からアブレイユに2点適時打を浴びた松坂

ア・リーグ レッドソックス3―5エンゼルス

(5月4日 ボストン)
 午前2時すぎの悪夢だ。レッドソックス・松坂大輔投手(30)が4日(日本時間5日)のエンゼルス戦で、日付が5日に替わった3―3の延長13回から8番手で緊急登板。4月29日のマリナーズ戦で右肘の張りを訴えて途中降板して以来の実戦復帰は、自身メジャー104試合目で初の救援登板という予想もしない形でのマウンドとなった。松坂は1回を3安打2失点で敗戦投手。今季3敗目を喫し、先発予定の6日(同7日)ツインズ戦での登板が延期される可能性が高くなった。
【試合結果】

 時計の針が午前2時27分を指した延長13回。松坂が、誰も残っていないブルペンを出てマウンドに向かう。救援登板はメジャー5年目で初めて、西武時代の04年9月24日の近鉄戦(大阪ドーム)以来、実に2413日ぶりのことだった。

 「難しい選択だった。でも、ほかにできることはなかった」。テリー・フランコナ監督は苦渋の表情で振り返ったが、緊急事態だった。先発ベケットが5回1死まで無失点に抑える好投。しかし、ここで豪雨に見舞われて試合は2時間35分にも及んで中断。再開後はベケットを交代せざるを得ない状況で、前倒しの継投を強いられた。その中での延長戦突入。さらに中継ぎのジェンクスが右腕の異常を訴えて登板できず、延長13回に入る時点で残る投手は、5日先発予定のラッキー、3日に先発したレスター、2日に先発したバックホルツ、そして松坂と本来先発の4投手だけ。そして、送り出されたのが6日のツインズ戦で先発予定の松坂だった。

 松坂は延長10回終了時点からウオーミングアップを開始した。11回表に捕手を立たせたまま投げ始めると、イニング間にはわずかな時間ながら外野に出て距離を広げてブルペン捕手とキャッチボール。延長11回が終わると、投球練習を行った。しかし、元来がじっくり時間をかけて準備するタイプの松坂にとって、やはり勝手が違った。先頭に一塁強襲安打を許すと、2死から安打と四球で満塁とされ、アブレイユに低めのスライダーを右前へ運ばれ、2点を勝ち越された。最速も89マイル(約143キロ)。その裏のレ軍の攻撃は無得点に終わり、試合終了はプレーボールから7時間35分がたった午前2時45分。その瞬間、松坂に黒星がつき、コメントを残さずに球場をあとにした。

 試合前の投球練習では捕手を座らせて38球を投げた。前回登板となった4月29日のマリナーズ戦では右肘の張りで5回途中に降板。「逆に大げさな判断で良かったなと思えるようにしたい。あとは結果。しっかり投げたい」と話していた。

 緊急リリーフに伴い、フランコナ監督は一夜明けた5日(日本時間6日)の試合前「ダイスケは投げたいと言っているようだが、私の考えはNOだ。シーズンは長い」とし、6日の先発予定を変更する可能性を示唆。松坂は深夜2時45分の敗戦から約8時間後の午前11時には球場入り。その表情はもう気持ちの切り替えを済ませたかのようだった。

 ≪日本シリーズでも救援で敗戦投手に≫日本での救援初登板はルーキーイヤーの99年9月5日の近鉄戦(大阪ドーム)。同2日に9回137球の完投勝利を挙げていたが、同点の9回に中2日でマウンドへ。9、10回と無失点で切り抜けると、味方打線が11回に1点を勝ち越し。11回も続投して3者凡退に仕留め、勝利投手となった。00年5月9日のロッテ戦(西武ドーム)では、9点リードの7回から3イニングを無安打無失点で乗り切って初セーブ。日本シリーズでは2試合に救援登板し、02年10月30日の巨人戦(東京ドーム)では2番手で2回を投げ3安打4失点で敗戦投手になった。

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2011年5月6日のニュース