原監督もガッツ偉業を称賛「敬意を表します」

[ 2011年5月6日 06:00 ]

<巨・神>9回、代打を告げる原監督

セ・リーグ 巨人1―2阪神

(5月5日 東京D)
 試合後の監督室。伝統の一戦に敗れた巨人・原監督に笑顔はなかったが、小笠原の質問には目が優しくなった。「2000本は勲章。賛辞の言葉を贈りたい。監督として(直接)見られて、さらに敬意を表します」。チームの屋台骨を支える功労者への祝福の言葉は、愛情に満ちあふれていた。

 小笠原は原監督の理想像を体現する、象徴ともいえる存在だ。2度目の監督に就任した06年は主力に故障者が続出し、4年連続V逸の4位と低迷。巨人に必要なのは弱い選手ではなく、強い選手――。同年オフに日本ハムからFA宣言した小笠原の獲得は、自らの強い希望だった。驚いたのは入団会見でトレードマークだったひげをそり落として来たこと。「ビックリした」と話した原監督だったが、その決意に胸を打たれた。そして、巨人に移籍してもサムライはサムライだった。

 小笠原が入団した07年からチームはリーグ3連覇。昨季まで4年連続打率3割、30本塁打をマークした。数字だけではない。08年には体調が万全でなかった小笠原が欠場の打診に、首を縦に振らず強行出場を直訴。原監督の説得で納得したが、少々のケガでは泣き言を言わない姿勢に指揮官は感銘を受けた。「小笠原さんがあれだけやっている。僕はもっとやらないと」(坂本)と、並外れた練習量など若手の手本ともなっている。

 今季は序盤から打撃不振も「主力でもあり象徴。越えてもらうしかない」と、原監督の信頼感は全く変わらなかった。「彼の良さはぶれないところ。日頃の努力、ルーティンを崩さずに積み上げた結果がこういう形になっている。まだ志半ば。まだまだ上を向いてやってほしい」。2年ぶりのリーグVへ。指揮官、そしてチームにとっても、その存在は決して欠くことができない。

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2011年5月6日のニュース