日大三猛打13点4強!畔上が大会4人目6の6

[ 2011年4月1日 06:00 ]

<日大三・加古川北>7回無死、畔上は中前打を放つ

 第83回選抜高校野球第9日は31日、甲子園で準々決勝2試合を行い、昨春準優勝の日大三(東京)が初出場の加古川北(兵庫)に13―2で大勝。今秋ドラフト候補、畔上(あぜがみ)翔外野手(3年)が大会史上4人目となる1試合6安打を放ち、チームも大会史上2位タイの22安打と猛打をふるった。また、東北OBで元監督の若生正広監督(60)率いる九州国際大付は5―4で北海(北海道)に競り勝ち、春夏通じて初のベスト4入り。両校は2日の準決勝で激突する。

【試合結果】

 最後も快音をとどろかせた。5打数5安打で迎えた8回の第6打席。左打者の畔上は軽々と逆方向に打球を運び左越え三塁打。今大会で83回を数えるセンバツ史上、4人目となる1試合6安打の大会記録に並んだ。

 「投手の足元に強い打球を打ち返すことだけ考えていました。無心で打席に入れたのが良かったんだと思います」

 初回に中前打、2回に左前打と単打を重ねて勢いに乗った。4回には左中間二塁打、5、7回にも中前打を放つなど、6安打全てが中堅より左方向への打球。「監督から三塁ベンチに打球を打ち込むつもりで引きつけて打て、と言われていました」。スローカーブを駆使して2試合連続完封中だった加古川北・井上の球を、ギリギリまで体の近くに引きつけることで攻略した。打つだけではない。自らの単打で送球間に二塁を陥れる場面が実に3度もあった。

 祖父は元プロ野球投手。54年に高橋ユニオンズに在籍していた玉川照知朗だ。そのDNAを引き継ぐ畔上は「ど」が付くほどまじめな熱血主将だ。朝は5時30分に室内練習場に入る。全体練習後の自主練習では日付が変わるまでバットを振り続けることもある。入学直後から自主練習でコンビをともにする谷口は「畔上はいつも一生懸命練習してるから、監督と同じぐらい信頼されている」と証言する。

 グラウンド外でも常に野球のことで頭がいっぱいだ。趣味は読書で、野球関係の本を読みあさっている。特に阪神・金本の大ファンで著書「覚悟のすすめ」(発行元・角川書店)は何度も読み返した。「球が当たって痛いと言ったらケガになる、という部分が凄いと思いました」と話す。携帯型デジタル音楽プレーヤーに金本の動画を保存しているほどの心酔ぶりだ。

 畔上が引っ張る打線は、毎回の先発全員安打で今大会最多の22安打をマーク。準優勝した昨年に続き2年連続で4強に進出した。小学5年生だった05年夏。神宮球場で西東京大会決勝の日大三―明大中野八王子戦を観戦して以来「日大三で甲子園に出て優勝する」ことが目標だった。そんな子供の頃からの夢があと2勝で実現する。

 ◆畔上 翔(あぜがみ・しょう)1993年(平5)5月20日、東京都生まれの17歳。小1で東京・両国セブンアローズに入部し野球を始める。中学では東京ベイボーイズで投手兼一塁手として活躍。全国大会に出場し、南関東選抜にも選ばれた。日大三では1年秋からベンチ入り。昨年のセンバツには7番左翼で出場し準優勝に貢献した。1メートル78、80キロ。左投げ左打ち。

 ≪センバツ史上2位の22安打≫日大三は今大会最多、センバツ史上2位タイとなる22安打。日大三が昨春1回戦の山形中央戦で記録した19安打の東京勢最多を更新した。同校では夏を含めても、01年1回戦の樟南(鹿児島)戦の21安打を上回る最多となった。

 ≪春史上4人目の6安打≫畔上が春夏を通じて最多タイ記録、春史上4人目の1試合6安打をマーク。夏は過去2人で、うち04年には日大三の松島がPL学園戦で記録している。畔上はこれで今大会9安打。過去3人が記録した大会最多安打13の更新も期待がかかる。

 ≪愛工大名電以来の2年連続4強≫日大三は準優勝の昨年に続く4強。2年連続4強入りは04年準優勝、05年優勝の愛工大名電以来。東京勢では日大三が71年優勝、72年準優勝して以来2度目。

続きを表示

この記事のフォト

2011年4月1日のニュース