星野監督「田中?ほっときゃいい」「岩隈はやはりモノが違う

[ 2011年2月15日 15:19 ]

対談を終え握手する星野監督と栗山英樹氏(左)

 勝つ喜びを味わわせてやりたい――。帰ってきた闘将、楽天・星野仙一監督(64)をスポーツキャスターの栗山英樹氏(49)が沖縄・久米島キャンプで直撃した。

 栗山 岩隈投手と田中投手。タイプ的に田中投手は星野監督に似てると思うんですが、彼らを生かすには?

 星野監督 田中?ほっときゃいい。あのパフォーマンスでどんどんやればいい。あの素材は触ったら駄目。自分のものを持ってる。若いのに凄いなと、ある意味尊敬してるよ。俺はダルビッシュ以上だと思ってる。それくらいの気持ちでやってほしいね。だからもっと凄い成績を残せる。まだ(実力の)6割くらいしか出してないんじゃないの?何より明るいのがいいね。逆に岩隈はクールに見えるけど、本当に日本人っていうもの(芯の強さ)を持っている。やはりモノが違うと再認識させる投手だね。

 栗山 チームが変わる象徴が三遊間だと思います。岩村、松井稼が入ってきました。

 星野監督 2人とも来てくれるとは思ってなかった。岩村には「おまえと一緒に野球をやりたかったんだ」と電話をかけたら、いい返事をすぐ返してくれてね。条件も何も言ってないんだよ。稼頭央は向こうで苦労したがセンスあるし、まだ体力もあるから「お前、ショートだ」とね。「ショートですか?うれしいな」と返事をくれた。

 栗山 選手の心をわしづかみにする星野監督が、まさにわしづかみにした瞬間ですね。では、どの辺がチームのポイントになりそうですか?

 星野監督 歴史が浅いから、あとは経験だけなんだよね。でも経験なんて言ってたらあと3年、5年たたないと駄目ということになる。だから勝つ味というのはこんなもんなんだよ、連勝の味ってこんなおいしいんだよ、こんなに気持ちいいんだよ。それをみんなでどれだけつかみ取るか。我々がサポートして味あわせてやりたいんだ。今はその準備をしてる。

 栗山 そう考えると岩村と松井稼がいろいろ伝えてくれると思います。

 星野監督 彼らは最初は良かったがマイナーにも落とされ、トレードもされた。野球の本場の苦しさ、厳しさを味わってる。その経験を、野球はこれだけ厳しく、ユニホームを着られるということはこんなに幸せなんだというものを若い選手に伝えてほしいな。

 栗山 実は順位予想は楽天優勝なんですが、今年のパ・リーグの展開を考えると、どこも1位があって最下位もある。

 星野監督 それ(混戦)は俺も感じてる。そんなに甘くないけど(優勝を)狙ってるよ。優勝狙うぞ、ということは最初のミーティングで言っている。それなくして成長はないよ、と最初にぶっ放したよ。自分にプレッシャー掛けて、もがいてもがいて上り詰めようというのがオレのやり方だから。

 栗山 今の戦力的にどの部分がうまくいってくれたらと思いますか?

 星野監督 先発陣はまあ確立してるからセットアッパー、クローザーをどう仕上げていくか。金炳賢(キムビョンヒョン)は全盛時のものを呼び起こす作業をしてるけど、不安はある。(メジャーの)ロースターから落ちた選手をチェックしろとは言ってますよ。

 栗山 無謀なことですけど、川上憲伸がそこ(ロースター落ち)にいたらどうですか?

 星野監督 憲伸はもう1年(米国で)やるでしょう。(日本復帰は)来年の話だね。憲伸とか(福留)孝介の話は。あと(松井)秀喜とか。

 栗山 本当に楽しみにしています。ありがとうございました。

続きを表示

2011年2月15日のニュース