星野監督「ここから外れるな、外れたら許さないよ」

対談を終え握手する星野監督と栗山英樹氏（左）

　勝つ喜びを味わわせてやりたい――。帰ってきた闘将、楽天・星野仙一監督（６４）をスポーツキャスターの栗山英樹氏（４９）が沖縄・久米島キャンプで直撃した。

　栗山　星野監督のユニホーム姿を見ると凄くうれしくなりますが、着ると何か違いますか？

　星野監督　うん、落ち着くね、ユニホーム着るとやっぱりね。スーツもいいかしらないけど、一番落ち着くよね。

　栗山　キャンプではまだ静観されている感じがします。

　星野監督　まあキャンプは静かじゃない？監督は。やっぱりオープン戦の終盤にかかってからじゃないかな。好不調が出てきて、おまえ何やってたんだ！というのが出てこなきゃ駄目だね。

　栗山　では、今は選手とどういう距離感でいることが必要ですか？

　星野監督　意識したことはないけど、自分が選手のとき水原さん、与那嶺さんという立派な監督に仕えて、学生時代は島岡さんという厳しい方に教わって吸収してきたよね。そういうものを選手にぶつけて。掌握しようだとかはないんだよ。自然体でいってるつもりなんだけどね。

　栗山　ということは星野仙一そのものを見せていくということですか？

　星野監督　俺の野球はこうだ、とコーチ陣に言ってる。ここから外れるな、外れたら許さないよ、と。だからコーチ陣もきちっとやってくれるから何にも言わないよ。

　栗山　逆に言うと、コーチが監督の考えを選手に伝えてくれている。

　星野監督　そうそう。特に田淵、仁村、佐藤義はずっと俺とやってたから。俺の考えを理解してくれるし、選手に少しずつ浸透させてくれている。田淵にも仁村にも（俺が）迷ったり悩んだりしたとき島野（中日、阪神監督時代の名参謀）だったらどういう行動に出るか、どんな言葉を発するかを考えなさいよ、とも言ってる。今のところは楽だね。

　栗山　すると次の星野仙一は仁村コーチ。徹、頼むぞ、みたいなところもあるわけですか？

　星野監督　これは俺が決める問題じゃないけれども、彼にはそういう資質というものが俺以上にあるんじゃないかなと期待してますよ。

　栗山　コーチと絶対的な信頼関係を築き、選手とは一人一人向き合い方が違うんですね。

　星野監督　もちろん違うよ。全てをワーッとやってるように見えるけど。（テレビ）カメラが悪いんだ。怒ってるところしか映さないから。うまくやるときは裏でやってますよ。