バッテリー組んだ野村氏 皆川氏との思い出に涙

[ 2011年1月14日 19:12 ]

 ともに南海でプロ生活をスタートさせた故皆川氏の殿堂入り発表に駆け付けた楽天の野村克也元監督は目に涙を浮かべながら語った。「そんな素材ではなかった。限界だという前に、やることがあるんだなと思った」。酒も飲まず、野球に向き合った仲間との思い出に浸った。

 忘れられない場面がある。皆川氏が左打者を苦手にしていた頃。当時はまだ誰も投げていなかったカットボールの習得に、挑戦していた。その年のオープン戦で打席に巨人の王を迎え、野村元監督は「試す絶好の機会」と新球を要求した。

 球は見事に内角を突き、打ち取った。野村元監督は「あんなにうれしそうな顔は見たことない。カットボールを覚えたことで30勝した」と振り返った。サイドスローへの転向もあったが、「最後の30勝投手」と呼ばれる活躍の裏には、野村元監督と取り組んだ二人三脚の挑戦があった。

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2011年1月14日のニュース