決意のイメチェン!斎藤「戦闘モード」黒グラブ

[ 2011年1月14日 06:00 ]

室内練習場でノックを受ける斎藤佑樹

 決意の「黒」で戦闘態勢だ。日本ハムのドラフト1位、斎藤佑樹投手(22=早大)が13日、千葉県鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムで行われた合同自主トレ2日目で、黒いグラブを初披露した。これまでの「茶→赤(えんじ)」から大変化。居残りキャッチボールでは、早くもスライダー、チェンジアップなど変化球を投げ込んだ。注目の右腕は、戦いに挑む――という意味を持ったカラーでプロの荒波も乗り越える。

 気温4度、風速3メートルの寒風が吹く中、斎藤がピカピカのグラブを取り出した。前日に使用した赤と白の練習用とは迫力が違う。親指部分に「YUKI 18」の新しいロゴ刺しゅう、網部分に斎藤の頭文字「S」を浮かび上がらせた黒一色の新相棒。新人6選手の先頭に立ってアップを終えると、ドラフト3位の乾(東洋大)と59球のキャッチボールをしながら感触を確かめた。

 これだけでは満足しない。昼食後の筋力トレなど全メニューを終えた午後2時40分すぎ、再び乾と50メートルの遠投を始めた。さらに距離を30メートルに縮めてスライダー、チェンジアップ、カットボール、ツーシームと変化球を盛り込む。仕上げとばかり20メートルまで近づくと、乾を中腰にしながら速球を投げ込んだ。第2クールにも予定しているブルペン入りに備え、新アイテムでのフォーム固めが目的の一つだった。

 早実時代と早大4年春は革素材を生かした茶色、早大1~3年と4年秋は主に早稲田カラーのえんじ色のグラブで押し通した。黒を選んだ理由として本人は「ファイターズの黒ですから」と即答したが、何にも染まらない色は自信を持って戦いに挑むという意味がある。最高の仲間に恵まれたアマ時代から、自力で活路を見いだすプロへ――。荒波に立ち向かおうとする斎藤の意思が選んだ色だ。

 変化球を交えた遠投についても「ずっとやってきました。腕の振りの感覚を忘れないように」と涼しい顔で振り返った。キャンプ1軍スタートという第1次段階をクリアした現在、練習試合→オープン戦での好投で目標の開幕1軍切符をゲット。さらに見据える先は開幕ローテーション入りだ。青写真もできている。「早くこの環境に慣れるよう、1軍のキャンプまでしっかりしたい」。あくまで慎重な黄金ルーキーだが、キャッチボールの相手を務めた乾は「もう斎藤はできてますよ。メチャいいボールがビュンビュン来ていました」と舌を巻いた。

 居残りキャッチボールで締めた新人合同自主トレ第2日。グラブについては「まだ硬いんですよね」と、今後公式戦で使える状態になるか様子を見るという。この日も観衆は新人の自主トレでは異例の2000人。高い注目が続く中、「黒」という色に決意を込めた斎藤が、確実に1歩1歩を踏みしめ進んでいる。

続きを表示

この記事のフォト

2011年1月14日のニュース