今岡「一度死んだ人間にしか分からないですよ」

[ 2010年2月19日 08:28 ]

 【ロッテ担当・尾辻 剛】

 ロッテ・今岡誠内野手(35)が今キャンプ初の特打を敢行した。雨の中、PL学園の2年後輩にあたるサブローとともに約1時間の打ち込み。右方向へ柵越えを放つとガッツポーズするなど、楽しみながら快音を響かせた。
 「サブローが“一緒にどうですか”って言ってきたんでね。きょう(18日)ぐらいしか、できる日もないですから」。19、20日は紅白戦を行い、21日がキャンプ打ち上げ。特打を行う最後のチャンスで、疲れた体にムチを打った。
 阪神から戦力外通告を受け、今キャンプでテスト入団。テストに向け、オフも休まず打撃練習を繰り返してきた成果で、いい状態をキープしている。ゲーム形式のノックでは三塁線の当たりを好捕して、ファンだけでなくナインからも歓声が上がった。
 口癖のように「とにかくチームのために(力を)発揮するだけ。1年間、言い続けます」と繰り返す。ただ「それはプロとしては駄目なのかもしれない」と漏らしたこともある。昨年までは自分の成績優先の部分もあったという。「活躍して、周りよりも稼ぐ選手になろうというのもプロですから。そういう選手が集まってチームが強くなり、それでチームが勝てばいいという気持ちもあった」。そんな心境も今は変わった。
 「自分が活躍しようとかは毛頭ない。一度、死んだ人間にしか分からないですよ。野球ができなくなる状況でしたから。今は純粋にチームに恩返ししたい」。自分の成績、年俸には無欲だが、何が何でもチームは優勝したい。そのためには、どんな役割も買って出る覚悟だ。すっかりロッテにとけ込んだニュー今岡の挑戦は続く。

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2010年2月19日のニュース