安青錦 ウクライナ出身初の大関 シンプル口上に“らしさ”「さらに上を目指して精進」

[ 2025年11月27日 05:25 ]

大関に昇進し笑顔でポーズを決める安青錦(撮影・岡田 丈靖)
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 日本相撲協会は26日、福岡国際センターで初場所(来年1月11日初日・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・安青錦(21=安治川部屋)の大関昇進を満場一致で決めた。ウクライナ出身初の大関誕生。初土俵から所要14場所での大関昇進は、年6場所制となった1958年以降初土俵で琴欧州の19場所を上回り最速(付け出しを除く)となった。

 シンプルかつ、真っすぐな口上だった。紋付きはかま姿で昇進伝達式に臨んだ安青錦は、使者から昇進を伝え聞くと「大関の名に恥じぬよう、また、さらに上を目指して精進いたします」とよどみない日本語で述べた。師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)が「自分で考えろ」と指示した口上は、24日夜に師弟で話し合って5分で決まったという。

 注目された四字熟語の類いはない。安青錦はその意図を「難しいことを言うか、シンプルか。シンプルな方が自分らしい。100%理解できる言葉でしゃべりたかった」と話す。母国ウクライナの戦禍を逃れ、力士になる夢を追って日本に来て3年半。「前傾姿勢」を崩さない取り口のごとく前向きで安青錦らしい言葉だった。

 「さらに上を」の文言に看板力士の風格と横綱の地位への意識がのぞく。「上がった瞬間は喜びがあるが、ずっと喜んでいたらそれで終わってしまう。自信はあります」。大関の座には初土俵から所要14場所、新入幕から5場所連続2桁勝利でたどりついた。年6場所制以降、横綱昇進では大の里の新入幕から所要9場所、朝青龍の初土俵から所要25場所(付け出しを除く)がスピード記録。安青錦は最速記録の更新も期待される。

 相撲を取る稽古は一日十数番と少ないものの、四股やすり足、てっぽうの基礎運動を徹底。新関脇場所で大関昇進を決めるのは1936年夏場所で優勝した双葉山以来89年ぶり。安青錦は「大横綱と比べちゃダメですね」と笑うが「さらに上」を目指した精進はこの瞬間から再び始まる。

 【主な大関の口上】
 ▽貴ノ花 「不撓(ふとう)不屈の精神で相撲道に精進します」(93年1月27日)
 ▽若ノ花 「一意専心の気持ちを忘れず」(93年7月21日)
 ▽貴ノ浪 「相撲道に勇往邁進(まいしん)する所存」(94年1月26日)
 ▽朝青龍 「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」(02年7月24日)
 ▽白鵬 「全身全霊をかけて努力」(06年3月29日)
 ▽琴奨菊 「万理一空の境地を求めて」(11年9月28日)
 ▽稀勢の里 「大関の名を汚さぬよう、精進します」(11年11月30日)
 ▽豪栄道 「大和魂を貫いて」(14年7月30日)
 ▽貴景勝 「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進」(19年3月27日)
 ▽正代 「至誠一貫の精神で相撲道に邁進」(20年9月30日)
 ▽御嶽海 「感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道に邁進してまいります」(22年1月26日)
 ▽霧島 「大関の名を汚さぬよう、今まで以上に稽古して頑張ります」(23年5月31日)
 ▽豊昇龍 「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力致します」(23年7月26日)
 ▽琴桜
「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進してまいります」(24年1月31日)
 ▽大の里 
「大関の地位を汚さぬよう、唯一無二の力士を目指して、相撲道に精進します」(24年9月25日)

 ◇大関の待遇 日本相撲協会の看板力士として、各種行事に横綱とともに参加する。月給は横綱の300万円に次ぐ250万円。関脇、小結より70万円高い。東京開催場所では両国国技館の地下駐車場を使って出入りが可能。2場所連続負け越しで陥落するが、関脇に落ちた場所で10勝以上すれば翌場所に復帰できる。横綱昇進には2場所連続優勝か、それに準じる成績が必要とされている。

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