池江璃花子 4冠締め もう挑戦者じゃない 重圧あったけど「いい場所に戻って来られた」

[ 2023年4月10日 04:45 ]

競泳日本選手権最終日 ( 2023年4月9日    東京アクアティクスセンター )

女子50メートル自由形で優勝し、表彰式で笑顔を見せる池江(撮影・河野 光希)
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 世界選手権(7月、福岡)の代表選考会を兼ねて行われ、女子50メートル自由形は池江璃花子(22=横浜ゴム)が24秒74で制し、3年連続6度目の優勝を果たした。白血病から復帰後の自己ベストを0秒04更新。派遣標準記録には0秒04届かなかったが、50、100メートルバタフライ、100メートル自由形に続く4冠で大会を締めくくった。女子400メートル個人メドレーは成田実生(16=金町SC)が派遣記録を切る4分36秒89で初制覇。200メートル個人メドレーに続く代表権を手にした。

 21年大会と同じ種目での4冠だが、池江の頭に浮かんだのは、実戦復帰から8カ月足らずだった2年前とは別次元の喜びだった。今大会の結果で個人種目6年ぶりの代表に内定。リレー種目のエースとしても期待が懸かる。「2年前は復帰したばかりでチャレンジャーだったが、今回は結果を出さないといけないプレッシャーがあった。アスリートとしては、いい場所に戻って来られたと思う」と実感を込めた。

 この日の50メートル自由形決勝は、今大会8レース目。課題のスタートで大きな遅れはなく、25メートル付近で首位に立った。2位に0秒48差をつけ「凄く気持ちよく泳げた。復帰後のベストが出てうれしい」と笑顔。派遣標準記録には届かなかったが「派遣を切っていたとしても世界からは置いていかれるタイム。次に温めておければと考えていたので、切れないでホッとしている」とプラスに捉えた。

 タフな体に仕上げるため、復帰後に実施していなかった高地合宿を今後は行う可能性も浮上。18年12月に標高約2100メートルの米フラッグスタッフ合宿で体調を崩し、19年1月に白血病と診断された経緯がある。それだけに周囲は慎重でも「自分的には問題ない」と本人は前向きだ。復帰後初の海外遠征となる欧州の大会にも出場する見通し。「海外選手と厳しい環境で戦うのが楽しみ。やっと自分が戦う場所に戻って来られた」と強調。強い池江璃花子として世界へカムバックする準備を進めていく。

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