W杯イヤーのスーパーラグビー・パシフィックが24日開幕!エディーが語る魅力 WOWOW全91試合配信

[ 2023年2月22日 16:59 ]

24日に開幕するスーパーラグビー・パシフィックを展望したエディー・ジョーンズ氏(C)Getty Images
Photo By ゲッティ イメージズ

 ニュージーランド、オーストラリア、フィジーなど太平洋諸国の計12チームが覇権を争う「スーパーラグビー・パシフィック」が、今月24日に開幕する。現在の競技形式になり2季目を迎える世界屈指のリーグを、今年も衛星放送局のWOWOWが全91試合をライブ配信、毎節2試合を放送する。今年は4年に一度のW杯を秋に控えており、各チームに散らばる代表候補選手たちが、例年以上に激しいプレーで火花を散らしてくれることが必至だ。

 WOWOWではこのほど、1月にオーストラリア代表ヘッドコーチに約17年ぶりに復帰を果たしたエディー・ジョーンズ氏(63)をインタビュー。世界最高峰のラグビーが展開されるスーパーラグビー・パシフィックの魅力や、代表指揮官として注目している選手などを語ってくれた。

 ――はじめに、オーストラリア代表「ワラビーズ」のヘッドコーチに就任された今の心境をお願いします。
 「新しい仕事を始める時は常に興奮するものですが、同時に多少ナーバスな気持ちにもなります。なぜなら、新しいチームの強みや弱みを見つけなければならないからです。もうすぐW杯が開催されるので、強化のための期間が短いこともその一因です。それでもワラビーズは強いチームになります。たくさんの有能な選手がそろっているからです。私がチームの質を上げていくことがこれから大事になりますね」

 ――そんな才能豊かな選手たちが勢ぞろいしているスーパーラグビー・パシフィックが今年も開幕します。
 「スーパーラグビーは、さまざまなバリエーションを経て行われてきた、ニュージーランドとオーストラリアの大会です。さらにその上に、国をまたいだ戦いがあります。今はフィジーやトンガ、サモアなどいろいろな国籍の選手で作られたチームもあり、その国々の若手の育成にも寄与しています。レベルはとても高く、今後も大会のレベルアップが続くだろうと考えています」

 ――W杯に臨むワラビーズのセレクションの場にもなります。
 「選手たちが本当にいいプレーをすることで自らを選ぶように促すことこそセレクションの素晴らしいところです。いいプレーとは、基本的なことを素晴らしく遂行し、タフに、そして自分の強みを生かしたプレーをすることです。選手たちのベストの姿を見せてくれることを楽しみにしています。選手から手を挙げて『僕を選んでくれ』と言ってくることを求めています」

 ――現時点では選手のセレクションを考え始めていますか?
 「アイデアは多少持っています。スーパーラグビー・パシフィックはもちろんですが、欧州でプレーする選手もいますし、日本でプレーする選手もいます。ですから欧州の試合も、リーグワンも注意深く見るつもりです。その中からベストの33人を見つけ出すことが私の仕事です」

 ――例えば、近年のワラビーズを象徴するマイケル・フーパー選手(ワラタス)のような経験値のある選手はやはり大事な存在でしょうか?
 「W杯では、W杯の経験がある選手の存在がとても重要です。そのような経験のある選手と若手のバランスを取らないといけません。若手は情熱やエネルギーを、ベテランは知識や経験をチームに持ち込みます。ですから、マイケル・フーパーのような実績のある選手はワラビーズにとってものすごく大事です。彼はきっとベストコンディションでW杯に臨むと確信しています。彼にはワラビーズでの大きな役割が待っています」

 ――他にも期待している選手がいましたらお願いします。
 「素晴らしい選手はたくさんいます。センターのサム・ケレビ(東京SG)とレン・イキタウ(ブランビーズ)は2人ともパワフルで、力強い走りを見せます。バックローのマイケル・フーパーはもちろんジェド・ホロウェイ(ワラタス)もファンタスティックな選手で、ダーシー・スワインとニック・フロスト(ともにブランビーズ)は素晴らしいセカンドロー(ロック)です。フッカーは、突然現れたデイビッド・ポレッキー(ワラタス)がとてもいいプレーをしています」

 ――アタックの要であるスタンドオフについてはいかがでしょうか?
 「スタンドオフは激しい争いになるでしょう。ベテランとしてはクウェイド・クーパー(花園)、バーナード・フォーリー(東京ベイ)、ジェームズ・オコナー(レッズ)が、そして若手にはノア・ロレシオ(ブランビーズ)、テイン・エドメド、ベン・ドナルドソン(ともにワラタス)がいます。この6人がW杯のスタンドオフの2枠を争うことになるでしょう」

 ――注目選手が多いブランビーズは昨シーズン4位で、プレーオフ準決勝まで進みました。どんなチームだと感じていますか?
 「ブランビーズはとてもいい状態です。FWはタフで、大砲のようなパワーを持っているバックスはスティーブン・ラーカム(元オーストラリア代表)によってコーチングされています。彼自身が素晴らしい選手でしたし、彼が得た経験を若手選手に伝えていると思います」

 ――同6位のワラタスはいかがでしょうか?
 「フーパーやホロウェイ、スクラムハーフのジェイク・ゴードンなどの経験豊富な選手がそろっており、チームの強力な屋台骨となっています。若く優秀なコーチもいて、実に攻撃的なラグビーを展開しています」

 ――同7位のレッズはどうでしょうか?
 「HCのブラッド・ソーンはオールブラックス(ニュージーランド代表)の素晴らしい選手でした。そして彼が所属していたようなタフなチームを作っています。バックローのフレイザー・マクライトやハリー・ウィルソン、スクラムハーフのテイト・マクダーモットなど数多くの若手が成長しています」

 ――同9位のフォース、10位のレベルズについてもお願いします。
 「トヨタを率いていたサイモン・クロンがフォースのHCに就任しました。彼は細かい点をとても大事にするタイプで、フォースを大幅に強化しています。レベルズはおもしろいチームで、伝統的にラグビーが盛んではないビクトリア州の選手を育成し始めました。つまり彼らはオーストラリアの若手育成の大事な役割を担っています」

 ――WOWOWでは今シーズンもスーパーラグビー・パシフィックを放送・配信します。視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
 「スーパーラグビー・パシフィックは世界で最もエンターテインメント性のあるラグビーの大会です。スピードがあり、攻撃的で、すごいショーでもあります。そこからザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗)に移り、テストマッチならではのフィジカルバトルが行われます。ぜひWOWOWでご覧ください」

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