高木美帆 3000Mで国内7年ぶり敗戦「悔しい。くすぶっていたら追い抜かれる」

[ 2022年12月29日 17:15 ]

スピードスケート全日本選手権第2日 ( 2022年12月29日    YSアリーナ八戸 )

<第90回全日本スピードスケート選手権第2日>女子3000メートル、メダルを手にする2位の高木(左)と優勝を果たした堀川(撮影・会津 智海)
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 W杯後半戦の日本代表選考会を兼ねて行われ、女子3000メートルは堀川桃香(19=富士急行)が4分4秒66で制した。高木美帆(28=日体大職)は4分5秒07で2位。出場した国内主要大会のこの種目で優勝を逃すのは15年全日本選手権以来7年ぶり。佐藤綾乃(26=ANA)が4分8秒96で3位に入った。

 13組中11組で滑った高木が、最終組で滑った堀川に0秒41差で敗れた。9歳下の若手の成長株には11月のW杯第2戦(オランダ・ヘーレンフェイン)でも屈しているが、国内主要大会の3000メートルで優勝を逃すのは7年ぶり。「悔しいのは悔しい。先に滑る時は後半の選手が追えないタイムで滑らないといけない。今までタイトルをとり続けていて、見積もりの甘さが出た」と唇をかんだ。

 2月の北京五輪は5種目に出場して金1、銀3のメダルを獲得。3000メートルは6位に終わり唯一表彰台を逃した種目で、世界記録を保持する1500メートルや五輪を制した1000メートルに比べて得意ではない。対する堀川は3000、5000メートルが本命種目。高木は「3000メートルに対する気持ちの差が出た。私が今の場所でくすぶっていたらすぐに追い抜かれる」と振り返った。

 10月の全日本距離別選手権を最後に小平奈緒さん(36)が引退。短距離種目で切磋琢磨(せっさたくま)してきた存在がいなくなり、高木はこの日の3000メートルの前に行われた500メートルを圧勝。前日は1500メートルを制しており、30日に出場予定の1000メートルを含めた4冠が有力視されていたが、9歳年下の長距離の新星に阻まれた。

 得意種目ではないとはいえ、国内では連勝街道を走り続けてきた3000メートルで敗れた意味は大きい。高木は「競い合う選手がいることは、少し特別なものがある。スケート界が面白くなると思っている」と視線を上げた。2位という刺激的な結果が、最強オールラウンダーの闘志に火をつける可能性は高い。

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