猫ひろし「行きますよ」…カンボジア代表でリオ五輪狙う

[ 2012年5月10日 06:00 ]

ラジオ番組にに生出演した猫ひろし

 リオまで猫まっしぐらだ。ロンドン五輪男子マラソンのカンボジア代表に選出されながら、国際陸上競技連盟に参加資格を満たしていないと判断され、出場できなくなったお笑いタレントの猫ひろし(本名・滝崎邦明、34)が9日、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組内で、カンボジア代表として16年リオデジャネイロ五輪出場を目指すことを明言した。

 ロンドン五輪出場消滅から一夜明けたこの日も、猫の意欲は衰えていなかった。午後9時からは、江東コミュニティ・レインボータウンFM(東京都江東区)の「猫ひろしのキバRunラジオ」に出演。スタジオに到着した際には、詰めかけた報道陣に驚きながらも「ニャー!」と得意のギャグで笑わせてみせた。

 番組の冒頭「何かとお騒がせしています。ヤフートップニュース芸人の猫ひろしです」と切り出した。今後に話題が及ぶと「今年(8月で)35歳で、猫なら3回死んでる。4年後は39歳で老兵ですけれど、体が持つなら行きますよ、リオデジャネイロ。カンボジア選手としてやりますから」と16年リオデジャネイロ五輪を目指すことを明言した。日本国籍には戻さず、カンボジア国籍のまま競技を続けていく意向だ。

 ゴールデンウイークは山で走り込みを行い、この日も練習してからスタジオ入りした。五輪前最後の実戦としてエントリーしていた6月17日の「プノンペン国際ハーフマラソン」にも予定通り出場することも明かした。

 五輪出場消滅の感想を聞かれた時には「率直に言って悔しい」とも話したが、既に気持ちは前向きだ。「事務所に聞いたら、夏(五輪期間中)の仕事がたくさん入ってきているらしい。“五輪に出られなくなってスケジュールが空いているんじゃないですか”と言われています。失礼だ」と冗談めかす一幕もあった。

 夢は絶たれたが、代表決定以降、何度もスポーツ紙の1面を飾り、テレビのワイドショーでも取り上げられた。大手広告会社関係者は「五輪のチャンスはつかみ損ねたが、芸人として国内外の新聞やテレビに露出して2000万~3000万円のPR効果があった」と分析した。今回の件で全てを失ったわけではない。そうした事情もショックを和らげているようだ。

 猫はカンボジア・オリンピック委員会の説明を受けた上で近く会見を開く。そこで今後に向けた決意を正式に表明する。番組の最後も「これからも頑張ります。応援してくださいニャー」で締めくくった猫。リオデジャネイロへ向けて、再びまっしぐらに走りだす。

 ◇猫の五輪騒動経緯 猫は11年10月にカンボジア国籍を取得し、今年2月の別府大分毎日マラソンで2時間30分26秒の自己ベストを記録。カンボジアに五輪参加標準記録を突破した選手がいなかったため、3月に同国オリンピック委員会が代表に選出した。国籍変更選手は国籍取得後1年を経過していない場合(1)連続した1年の居住実績(2)国際陸連理事会による特例承認のいずれかが必要だが、4月に国際陸連が、猫には1年以上の居住実績がないなどとして同国陸連に説明を求めていることが発覚。その後、国際陸連が参加資格がないと判断し、同国陸連に通達したことが今月8日に判明した。

 ▼藤原 新(猫について)国際陸連の判断なので、それに言及することはできないけど、猫さんは一生懸命努力していた。同じ競技者として、お互い目指していくところを目指していければ。

続きを表示

2012年5月10日のニュース