「さくらジャパン」1位通過!3大会連続の五輪出場王手

[ 2012年5月4日 06:00 ]

<日本・ベラルーシ>後半、4点目のゴールを決め喜ぶ藤尾(中央)

ホッケー五輪世界最終予選第9日

(5月3日 岐阜県グリーンスタジアム)
 女子1次リーグ最終戦を行い、3大会連続の五輪出場を狙う「さくらジャパン」の日本は4―0でベラルーシを下し、通算4勝1分けの勝ち点13で1位通過を決めた。日本はエース駒沢李佳(29=コカ・コーラ)のゴールなどで確実に得点を重ね突き放した。5日の決勝で2位のアゼルバイジャンと対戦し、勝てば五輪出場が決まる。なお男子は4日、中国と決勝進出を懸け対戦する。

 五輪出場に王手をかけた選手たちは、ベンチ前で喜びのハイタッチをかわした。「みんな体が重かった」と安田ヘッドコーチは試合内容に不満をにじませながらも、「ここで楽勝すると良くない。5日に響く」と続けてニヤリと笑った。

 前半3分に藤尾が先制点を奪う理想的な展開。しかし、その後は引いて守る相手にてこずった。嫌な流れを変えたのがエースの駒沢だ。23分、ペナルティーコーナー(PC)から、相手GKにはじかれた村上のシュートのリバウンドを田中が拾ってラストパス。これをゴールの真横から鮮やかに決めた。「きれいな決め方ではなかったが、落ち着いて決められた」とエースの追加点で流れを引き寄せた。

 駒沢は1日のアゼルバイジャン戦で相手のスティックが左目の上に当たり2針縫った。この日はばんそうこうを貼って出場。「死にはしませんから」と精神力の強さが光る。アテネ、北京五輪と2大会で日本を支えたエースは、休んでいられないとばかりに鋭い目で決戦を見据えた。

 北京五輪で10位に終わり、日本はロンドンに向け「走り勝つ」戦略を進めてきた。「動けて走れるなら頭も動く。体力的に余裕がないと戦術はできない」と安田ヘッドコーチ。4年間でチームにもその考えはしっかり浸透した。あす5日の決勝に向け駒沢は「走り勝てば、勝てる自信がある」とキッパリ。山本主将も「死に物狂いでボールを追いかけたい」と応じた。さくらジャパンが、満開の花を咲かせる日が近づいてきた。

 ◇ホッケー サッカーと同じ1チーム11人(GK1人)で構成され、選手交代は自由。先端部が湾曲したスティック(最大737グラム)を持ったプレーヤーがボール(156~163グラム)をゴール前にある半径約15メートルの半円の中からゴールに入れれば得点になる。試合時間は前後半35分ずつ。オフサイドは廃止され、得点シーンは増えた。

 ▽女子ホッケー最終予選の試合方式 出場6カ国の総当たりで1次リーグ戦を戦い、上位2カ国が決勝進出。決勝の勝者が五輪出場権を獲得する。五輪本番には12カ国が参加。すでに11カ国が決定。日本は04年アテネ(8位)、08年北京(10位)に続く3大会連続出場を目指す。

続きを表示

2012年5月4日のニュース