また新星誕生!「高岡2世」堀端が世界切符

[ 2011年3月7日 06:00 ]

2時間9分25秒で日本勢トップの3位でゴールする堀端宏行

びわ湖毎日マラソン

(3月6日 大津市皇子山陸上競技場発着)
 一般参加で4度目のマラソンの堀端宏行(24=旭化成)が日本勢トップの2時間9分25秒で3位に入った。2時間9分30秒を切るという条件もクリアし、世界選手権(8月、韓国・大邱)代表に決定した。堀端は1メートル89の長身で“高岡2世”の呼び声高い新鋭。2月27日の東京マラソンで市民ランナーの川内優輝(24=埼玉陸協)が快走したのに続き、2週連続で伏兵が代表切符をさらった。

 1メートル89のニューヒーローは周囲を見下ろしながら、恥ずかしそうに笑った。「世界選手権なんて全く考えてもいなかった」。予期せぬ日本勢トップで手にした世界切符。未完の大器のつぼみが、ついに開き始めた。

 とにかく粘った。ペースメーカーが1キロ3分を刻むハイペースにも食らいついていった。32キロ手前では日本勢トップをめぐる今井との4位争いで足が接触。転倒しかけて引き離されたが、逆に「負けてたまるかという気持ちになった」と闘志に火がついた。35キロ付近で今井をとらえ、40キロ直前で3位に。競技場に入り世界選手権に手が届きそうだと知ると、さらに加速した。ガッツポーズしながらゴールして倒れ込むと、選考基準タイムを5秒だけ切っていた。

 熊本・八代東高から旭化成入り。男子マラソンの日本最高記録保持者である高岡寿成(現カネボウコーチ)も1メートル86の長身とあって、宗猛監督は「高岡2世になれる」と励まし続けてきた。だが、伸び悩んだ。旺盛すぎる食欲が邪魔をして、体重を絞りきれなかったからだ。大会前の合宿では夜中に菓子の入ったビニール袋を抱えているところを宗監督に見つかり、「競技に対する欲を持ってくれれば」と苦笑いされるありさまだった。

 昨年12月に右脚付け根を負傷し、今大会の準備期間は1カ月ほど。40キロ走は3本しか走れなかった。参加が決まったのは10日前だった。だが「変に意気込んだりしなかった」と自然体で臨めたことが奏功。自己記録を2分22秒も縮め、日の丸まで背負うことになった。「夏までにしっかり体を絞りたい。外国人選手とも勝負できるように頑張りたい」。大型ランナーにようやく欲が出てきた。

 ◆堀端 宏行(ほりばた・ひろゆき)1986年(昭61)10月28日生まれ、熊本県八代市出身の24歳。中学までサッカーを続け、八代東高から陸上に転向。高2の夏に宗猛監督にスカウトされ、05年に旭化成入社。今回が4度目のマラソン。4人兄弟の長男で、弟も1メートル80の長身ランナー。趣味は漫画。1メートル89、71キロ。

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2011年3月7日のニュース