山あり谷あり競技人生…小幡の「ゴール」はもうすぐ

[ 2010年1月28日 08:39 ]

選抜女子駅伝北九州大会を終え、チームメートや監督と記念写真に納まるアコムの小幡佳代子(中央)=24日

 息の長いベテランランナーが31日の大阪国際女子マラソンで競技人生に終止符を打つ。1999年世界陸上選手権で8位に入賞した38歳の小幡佳代子(アコム)。ラストランに向け「とにかく、すべてを出し切りたい」と心待ちにしている。

 シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん(37)らが活躍した日本の黄金期にトップクラスで走り続けた。94年の初マラソンから数えて実に26度目の42・195キロに臨む。「マラソンだったから頑張ってこれた」。スピードはなくとも、粘り強さとタフさが持ち味だった。2006年には35歳でアジア大会銅メダルを獲得した。
 思わぬトラブルが障害となったこともあった。元所属先の営団地下鉄(現東京メトロ)が00年3月の日比谷線の脱線衝突事故後に活動を自粛。現所属先のアコムも3月限りで廃部する。ただ本人は気丈に振り返る。「環境がどうなっても、こうなりたいという信念を持っている自分は揺るがない」。所属先を探す間、賞金を稼ぐために海外のロードレースにも出場したという。「完全にプロとして走るいい勉強になった」と話す。
 アコムの廃部が発表される前から大阪で引退すると決めていた。00年に自己ベストの2時間25分14秒を記録し、06年には2位に入りアジア大会の切符を手繰り寄せた思い出の浪速路。2年前に結婚してから初めてのマラソンで目指すのは「当然、自己ベストの更新です」と、底抜けに明るく言い放った。

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2010年1月28日のニュース