八百長報道で週刊現代に1500万円賠償命令

[ 2009年3月5日 15:08 ]

 週刊現代の八百長疑惑報道で名誉を傷つけられたとして、日本相撲協会と北の湖前理事長が発行元の講談社側に約1億1000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は5日、「誠に不十分な取材で、記事に裏付けがない」とし、講談社側に計約1500万円の支払いと記事の取り消し広告掲載を命じた。

 浜秀樹裁判長は「記事が八百長と指摘したのは、前理事長の『世紀の一番』といわれる著名な取組。読者にセンセーショナルな衝撃を与え、社会的評価を著しく損なった」と指摘。「前理事長本人の取材もしておらず、記事が真実と信じる理由はない」と判断した。
 判決によると、週刊現代2007年3月10日号は、北の湖前理事長が現役横綱だった1975年の春場所千秋楽で、当時の大関貴ノ花に敗れた優勝決定戦は八百長だったなどとする記事を掲載した。
 訴訟では昨年10月、北の湖前理事長が出廷し、「相撲界に八百長はない」と証言していた。

 ▼北の湖・日本相撲協会前理事長の話 裁判所が正しい判断をされたことに敬意と感謝の意を表します。特に取り消し広告まで認められたのは、裁判所が記事の悪質性と被害の重大性を認められたからだと思う。

 ▼執筆者のノンフィクションライター武田頼政氏の話 裁判所は、相撲界に八百長が綿々と存在してきたという実情を正しく認識していない。自分の取材結果に何らの誤りはないことを確信している。控訴を検討したい。

続きを表示

2009年3月5日のニュース