怒りの松浪さん“お騒がせ理事長辞任すべき”

[ 2008年9月5日 06:00 ]

報道陣の問いかけに答えることなく北の湖部屋に入っていった北の湖理事長

 大相撲の幕内・露鵬(28=大嶽部屋)と十両・白露山(26=北の湖部屋)の兄弟がマリフアナに陽性反応を示した問題で、日本相撲協会の北の湖理事長(55=元横綱)が今月予定の臨時国会で参考人招致される可能性が出てきた。相撲協会を監督する文部科学省の松浪健四郎前副大臣(61)が4日、自身が委員を務める衆議院の文部科学委員会に理事長の出席を求める考えを示唆した。松浪前副大臣はまた、信頼回復のために理事長の辞任も求めた。

 露鵬と白露山がマリフアナに陽性反応を示してから2日。北の湖理事長ら協会幹部は精密検査の結果が出るまで沈黙を守る方針だが、松浪氏の舌ぽうは鋭かった。
 「結果がシロになるかクロになるか、どちらになっても協会は難しい対応を迫られる。疑わしきは罰しないのか、それとも罰するのか。いずれにしても国技がこれだけ騒がれて、無視するわけにはいかない。国会が開かれたら(衆議院の文部科学)委員会で理事長を参考人招致して、話を聞くことは十分に考えられる」と強い口調で語った。
 松浪氏は副大臣時代、時津風部屋力士の暴行致死事件や間垣親方(元横綱・2代目若乃花)の弟子暴行など度重なる不祥事を受け、相撲協会の閉鎖的な体質を改善するように組織改革を求めてきた。しかし、相撲協会は7月の理事会で文科省が要望していた外部理事の導入の見送りを決定。松浪氏は「文科省への挑戦」と対決姿勢をにじませ、報告に来た北の湖理事長に、当時の渡海紀三朗大臣とともに強制的に外部理事の起用を約束させた経緯がある。
 松浪氏は3日、文科省に鈴木恒夫大臣を訪ね、今後の対応を協議したという。「検査の結果がどうなるか分からないが、相撲協会に対しては強い姿勢で臨むと大臣も言われていた」と厳しい表情で語った。2力士の精密検査の結果は週明けの8日に出る見通し。協会関係者の間では、結論がシロの場合、北の湖理事長らの責任問題には発展しないとの見方もある。しかし、松浪氏は「今まで何度も問題が起きて、さらに世間を騒がせた。相撲協会に対して世間が疑う素地ができてしまった。そういう組織にしてしまったトップの責任はある。こうなった以上、辞任して人心を一新し再出発すべき」と北の湖理事長の辞任は避けられないとの考えを示した。
 時津風部屋の事件や元若ノ鵬の大麻事件では個々の師匠や部屋の問題として、自らの責任を回避してきた北の湖理事長。だが、今回ばかりは厳しい立場に立たされることになった。

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2008年9月5日のニュース