東京五輪“最大の敵”対策へ意外な!?勝ち飯 暑さ乗り切る“朝から”「温」メニュー

[ 2020年2月3日 09:00 ]

味の素とJOCによる日本選手団を食と栄養面から支援するための共同プロジェクト「ビクトリープロジェクト」に携わる味の素の栗原秀文氏
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 メダルを目指す日本代表アスリートを「食」で支援しているのが、東京2020オフィシャルパートナーで食品大手企業の「味の素」。03年から「ビクトリープロジェクト」として選手の食生活からのコンディショニングをサポートしている。海外の大会で培ってきた経験やデータを踏まえ、いよいよ迎える地元での大会。最大の敵となる暑さを乗り切るために、意外なメニューを提案している。(藤原 真由美)

 ◆炭水化物を取り入れる
 コンディションを整える上でケアしなければならないのが食事だ。地元開催のメリットは大きく、栄養指導をする味の素・ビクトリープロジェクトグループ・シニアマネジャーの栗原秀文氏(43)は「通常の食生活をそのまま継続して大会に入れるところはありがたい」と語る。海外では食材が手に入りにくかったり、安全面への配慮から、大会中に普段のメニューを提供することが難しい場合がある。

 東京五輪の最大の“敵”はやはり暑さ。熱中症などの直接的な影響もさることながら、アスリートにとって切実な問題は「暑さで食欲が落ちて十分なエネルギーが取れなくなること」という。
 人間の筋肉にあるグリコーゲンは運動の際に消費され、使い切ってしまうと一気に回復することは難しい。「エネルギーを切らさないように、使った分だけこまめにグリコーゲンのもととなる炭水化物を入れていく必要がある」。回数を増やして摂取する作戦だ。

 実際に栗原氏が2016年リオデジャネイロ五輪で同行した日本競泳チームは、サブプールに弁当やおにぎり、ようかんなど食事を持ち込み「ちょこちょこ食べる」ことでエネルギーを補給し、疲れを残さないようにした。東京大会でも同じような対策を考えているが、加えて暑さで食が細くなることを避けなければならない。

 ◆一人鍋レンジで“チン”
 そこで栗原氏が提案するメニューは意外にも「温」だ。

 「暑いからといって冷やそうとするのではなく、温かいものを食べておなかを温めること。加えて朝ご飯をしっかり取ると一日食欲が落ちずにバテない体が出来上がる」

 「エネルギー豚汁」は通称“エネ豚汁”。試合のエネルギー源となる糖質を取れるようにジャガイモが多め。豚肉にはエネルギー生産を助けるビタミンB1が含まれる。さらに体が温まるショウガ入り。夏の朝から豚汁。一般家庭ではあまり思いつかない「勝ち飯」術だ。

 もう一つの「カラダコンディショニング野菜だし鍋」は選手たちは“カラコン鍋”と呼ぶ。低脂肪、高タンパクの食材を使い、野菜のうま味が引き立つ。ハードなトレーニング後にも食べやすい。

 実は最近の五輪では日本選手の間で「一人鍋」が大流行している。選手村の食事には生野菜は多いものの、目安とする分量は取りにくく体を冷やしてしまう。栗原氏らが1人用の鍋のだしを用意し、選手が選手村で生野菜を調達して容器に入れてレンジで“チン”。温野菜で野菜不足を補う作戦。暑い夏の東京でも、選手らは熱い一人鍋を食べそうだ。

 ◆グラム単位の計画表で
 リオ五輪では、現地で選手が和食を好きな時に食べられる「JOC Gロードステーション」を設置するなど工夫を凝らし、メダルラッシュに貢献した。しかし、栗原氏にはリオの成功はむしろ「4年後の東京への課題がはっきり見えた」瞬間だったという。

 ポイントは2つ。一つは4年間かけての体づくり。選手には筋肉量など理想の体があるがリオまでに数値を達成できたケースは多くなかった。あとはコンディション維持。競泳陣は複数種目に出場する選手が多く、疲労がたまり後半にバテてしまうことがあった。

 そこで各選手に合わせた食生活メニューを提案。「1回の練習やレースで消費したエネルギーを体に合わせ、いかに効果的に吸収するか」を海外の研究数値や個人データから分析。決勝の3時間半前までに朝食を終了し、レース前は、アミノ酸とエネルギープロテインを摂取するなど栄養分を時間単位、グラム単位で調整した計画表が出来上がった。

 集大成となる東京。「20年もむしろ次につなげるために成功させたい。学生や子供たちらスポーツをしている人に五輪を通じて食の必要性を広げたい」。食事は毎日続くもの。4年前から、その先へ。積み重ねと継続が日本の力になる。

 【競泳・瀬戸 愛妻がアシスト“金レシピ”】競泳男子400メートル個人メドレー、同200メートル個人メドレーなど複数種目で金メダルを狙う日本のエース瀬戸大也(25)の献立例は、一般の人も無理なくまねできそうなメニューだ。
 瀬戸は17年に元飛び込み選手の馬淵優佳さん(24)と結婚。18年6月には長女が誕生し、優佳さんが子育てと瀬戸の食事サポートの両立に励んでいる。栗原氏は「子供も小さいので手を抜けるところは抜けるように提案しています」と説明。バランスの取れた簡単レシピを推奨している。例えば、朝の「具だくさん味噌汁」は食材を指定せずに余った野菜などで調理。夕食の副菜の「ほうれん草のナムル」は作り置きで2日間食べる。カップスープや市販のソースなどもフル活用し、継続して栄養のある食事を取れるようにしているという。

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