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ソチへ収穫だ!高木 メダルは「本当に重かった」

[ 2010年3月1日 06:00 ]

<パシュート女子決勝>田畑からメダルをかけてもらう高木

 【スピードスケート女子団体追い抜き】出場機会がなかった高木美帆(15=北海道・札内中)は、メダルを受け取れない表彰式を、会場入り口のテレビでじっと見つめていた。手にすることがなかった銀の輝き。高木は「日本が銀メダルを獲れたのは凄くうれしいけど、自分の中では、今はメダリストにならなくてよかったのかなというのがある。この思いが(14年)ソチにつながるのかなって思います」と、冷静に現実を受け止めた。

 レース前にはアップにも円陣にも加わった。「レースが始まる前に泣きそうになった」。戦う気持ちと高ぶりは、持ち続けた。レース中はリンク脇で、声の限り残り周回を叫んだ。決勝後は3人とともにウイニングラン。だが浮かれる気持ちは一切なかった。「今度(五輪の)パシュートとか出たときは任せてもらえるように力をつけてやろうと思えるんで、こういう結果でよかった」
 注目の中で迎えたスピード史上最年少の五輪は、全日程を終了した。1000メートル最下位、1500メートル23位、そして団体追い抜きは出番なし。それでも、レース後の3人は、黙って高木の首にメダルをかけた。「本当に重かった。今度は次の五輪で、自分の力で、個人種目でもやりたいなっていうのもある」。この思いを15歳が抱いたことが、何よりの収穫だった。

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2010年3月1日のニュース