開業前に海外遠征で経験積む古賀大師 未来像は「人馬ともにケガなく“愛馬心”を忘れない」

[ 2026年5月7日 05:11 ]

杉山晴厩舎の香港遠征に同行した古賀大師
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 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の新谷尚太(49)が昨年、調教師試験に合格した美浦の古賀大生技術調教師(35)を取り上げる。現在、開業前の準備期間で先月は栗東・杉山晴厩舎の香港遠征に同行。開業に向けた取り組み、意気込みなどを聞いた。

 3年ぶりの香港出張で新たな出会いがあった。取材初日、シャティンのコースの内側から調教を見ていると杉山晴厩舎のジョバンニ担当・大久保助手と行動を共にする、栗東では見慣れないスタッフの姿が…。美浦の古賀大師だった。普段、栗東で取材している記者にとって、その日が初対面。調教後に自己紹介を兼ねてあいさつさせていただき、取材を依頼すると「ぜひ、こちらからもよろしくお願いします」と快諾してくださった。

 祖父・末喜氏、父・史生氏に続く父子3代トレーナー。馬づくりに打ち込む父を見て育ち、その背中を追いかけ、自身もこの世界に飛び込んだ。「父が調教師をしていたこともあり、幼い頃から憧れていた職業でした。いざ、トレセンで従事するようになってからは、自分で調教(の番組)を組んでみたい、このレースに使ってみたい思いが強くなり、それなら調教師しかないという思いで目指しました」と目を輝かせる。

 父はJRA通算6149戦532勝、うち重賞はシンコウスプレンダ、トキオパーフェクト、サーガノヴェルなどで10勝。個性派の活躍馬を育て上げた。父は先輩調教師であり、師匠のような存在でもある。「父の厩舎に預けてくださっていた縁のある馬主さんを紹介していただいています。技術的なアドバイスをされることはあまりないけど関係者とのつながりをアシストしてくれて、とても頼りにしています。もちろん、調教師としても尊敬しています」と感謝している。

 年明けに技術調教師になってからは先輩調教師らの理解もあり、積極的に海外遠征に同行している。2月のサウジアラビア国際競走は森一厩舎のスタッフとして現地へ。そして今回は杉山晴厩舎のチームに加わり、香港で経験を積んだ。実際に出向いて肌で感じ、土地柄に合わせた調整法など、さまざまなことを吸収した。「ガビーズシアターのサウジアラビア遠征は2年連続でしたし、ジョバンニは初の海外遠征。初めてと慣れが見込める2度目の違いを感じることができました」と収穫を口にする。「杉山先生によると以前、ルガルが香港に遠征した際、カイ食いが落ちたところで追い切った結果、力を出し切れなかった、とのことでした。それを踏まえて今回、ジョバンニは追い切らずに出走して(クイーンエリザベス2世C5着に)健闘。ルガルの経験が生きた、とおっしゃっていました」。23&25年JRAリーディングトレーナーが難しい局面で下した判断を間近で見られたことは、きっと今後につながる。

 現在は開業に向けて準備の日々が続く。「夏は北海道のセリに参加し、海外セリにも行きたいと思っている。限られた時間の中で、栗東の厩舎でも研修させていただけたら…と思っています」と今後を見据えた。未来像は「人馬ともにケガをすることなく“愛馬心”を忘れないようにしたい。そして僕自身は馬主さん、スタッフや馬のことを一番に考えてハッピーに仕事ができる環境をつくりたい」と思い描く。まっさらな状態から古賀大師がどんな厩舎をつくっていくのか。開業を楽しみに待ちたい。

 ◇古賀 大生(こが・ひろき)1990年(平2)9月28日生まれ、茨城県出身の35歳。15年4月から美浦・松山将樹厩舎で調教助手を務め、昨年調教師試験に合格。今年1月1日に調教師免許を取得。祖父・末喜氏、父・史生氏も元JRA調教師。

 ◇新谷 尚太(しんたに・しょうた)1977年(昭52)4月26日生まれ、大阪府出身の49歳。18年5月から園田競馬を担当、同年10月に中央競馬担当にコンバート。前職は専門紙「競馬ニホン」の時計班。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当。

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