【皐月賞】石橋守師 思い出勝負服のメイショウタバルと挑む!「大きなチャレンジ」
春G1シリーズの水曜企画は「G1 追Q!探Q!」。担当記者が出走馬の陣営に「聞きたかった」質問をぶつけて本音に迫る。24年牡馬クラシック初戦「第84回皐月賞」は東京本社・鈴木悠貴(32)が担当。メイショウタバルを送り込む石橋守師(57)に「皐月賞」「メイショウ」「血統」の3テーマを問う。
石橋師にとって忘れられないレース。それが皐月賞だ。騎手時代の06年。牡馬クラシック初戦で騎乗したのは、前哨戦スプリングSを制した6番人気メイショウサムソン。「在厩で不安なく仕上げられていた。結局、小倉での新馬戦(05年7月)から06年の有馬記念まで放牧に出なかったんだから、本当にタフな馬だったよね」。
他の馬は関係ない。「この馬も能力はあったから」。相棒の力だけを信じて乗った。その思いに応えるようにサムソンは直線で鋭伸。先に抜け出したフサイチリシャールを残り100メートルで捉え、内で食い下がるドリームパスポートを抑え、堂々先頭でゴール板を駆け抜けた。当時39歳の石橋師。デビュー22年目、G142度目(皐月賞5度目)の挑戦で悲願のG1初制覇だった。「簡単にG1を勝てるとは思っていなかったから感慨深かった。しかもまさか初勝利がクラシックなんて…。幸せな気持ちだったね」。
「青、桃たすき、桃袖」。石橋師にとって「メイショウ」の勝負服は特別だ。14年3月に厩舎を開業して今年で11年目。調教師としての初タイトルもメイショウタバルの毎日杯。その愛馬と皐月賞に挑む。「松本好雄オーナーにはジョッキーの時によく乗せてもらったし、調教師になってからも毎年馬を預けてくれている。今回もスプリングSをアクシデント(フレグモーネ=傷腫れ)で回避して毎日杯へ。厳しいローテになったけど、皐月賞出走のGOサインを出してくれた。本当にありがたい」
前走の毎日杯V後には松本オーナーから祝電が届いた。「僕が重賞初制覇だったのを知らなかったみたいで“重賞初めてやったんか!良かったな~”と言ってくれた。本当にうれしかった」。恩人とつかんだ念願のクラシック切符。「ずっとお世話になっている。なんとか恩返しをしたいね」と意気込む。
血統にも思い入れがある。13年2月末にステッキを置いた石橋師。ジョッキーとして最後の勝利はメイショウタバルの母メイショウツバクロ(13年1月26日、京都4R新馬戦)で挙げた。「この馬にはこの1回しか乗っていないんだけどね。たまたまとはいえ、その産駒でこの舞台に向かえるというのは大きいね」。
調教師になってからはツバクロの第2子で、タバルの半兄にあたるメイショウメイスイも管理。「メイスイとタバルは馬体がまるっきり別。タイプが違うね。タバルの方がやっぱりスピードがある」。JRAでは未勝利に終わった半兄への思いも背負っての「大きなチャレンジ」。人と馬との縁が詰まったレース。サムソンと、松本オーナーと喜びを分かち合ったあの日から18年。今度は調教師・石橋守として、忘れられない一日を迎えようとしている。
◇石橋 守(いしばし・まもる)1966年(昭41)10月23日生まれ、滋賀県出身の57歳。85年3月、栗東・境直行厩舎所属で騎手デビュー。JRA通算9468戦473勝、重賞15勝。12年に調教師免許を取得し、13年2月に騎手を引退。14年3月に厩舎開業。JRA通算2405戦145勝。
【取材後記】
記者2年目、初めての栗東トレセン。1人目の取材相手が石橋師だった。自転車で厩舎に戻ろうとするトレーナーを見つけ、恐る恐る声をかけると…。「サムソン?昔のことなんか忘れたよ」と“洗礼”。それでも「美浦から来たんです。どうか聞かせてください」と必死に食い下がった。すると「そうか、それなら話さなあかんな」と自転車から降りて昔話を始めてくれた。忙しい中、30分も時間を割いて丁寧な受け応え。取材を終えると「ほんまありがとな」と何度も私に頭を下げてくれた。
栗東取材の最終日。厩舎に赴き「3日間ありがとうございました」と石橋師にお礼を伝えると「そうか、美浦に帰るんやったな。お疲れさま。気をつけて帰ってね」とねぎらいの言葉。高校時代、テレビで見ていた憧れのダービージョッキーは、人柄も一流だった。 (鈴木 悠貴)
2024年4月10日のニュース
-
小牧太騎手が11日の園田競馬で8鞍騎乗
[ 2024年4月10日 22:11 ] 競馬
-
香港チャンピオンズデー G1 3競走のメンバー発表
[ 2024年4月10日 21:49 ] 競馬
-
【大村ボート・G1海の王者決定戦】篠崎元志 4日目1、2着で予選18位滑り込み
[ 2024年4月10日 21:22 ] ボートレース
-
【戸田ボート・日本モーターボート選手会会長賞】中山雄太 4日目連勝で準優勝負駆け成功
[ 2024年4月10日 19:55 ] ボートレース
-
天皇賞・春に向かうドゥレッツァは戸崎とのコンビ
[ 2024年4月10日 19:28 ] 競馬
-
天皇賞・春に向かうサリエラは武豊との新コンビ
[ 2024年4月10日 19:21 ] 競馬
-
【とこなめボート・G3オールレディース】武井莉里佳 初登場水面でいきなり予選突破
[ 2024年4月10日 18:21 ] ボートレース
-
【大井競馬 3日目馬場情報】 スピード重視
[ 2024年4月10日 17:58 ] 競馬
-
【大井4R】珍名馬・コタツデミカンがデビュー2連勝 矢野「レースセンスがいい」
[ 2024年4月10日 16:45 ] 競馬
-
佐々木騎手が今週末の福島で戦列復帰「体に違和感はありません」 2月に落馬で胸椎骨折
[ 2024年4月10日 16:07 ] 競馬
-
【取手競輪F2モーニング初日1R】最後方7番手から鮮やかに捲って白星発進の牧田賢也
[ 2024年4月10日 09:29 ] 競輪
-
桜花賞4着スウィープフィート 引き続き武豊でオークスへ
[ 2024年4月10日 08:53 ] 競馬
-
落馬負傷した藤岡康太騎手について 兄・藤岡佑介騎手が説明「まだ意識が戻っていません」
[ 2024年4月10日 08:18 ] 競馬
-
【追憶の皐月賞】05年ディープインパクト 4馬身の出遅れも何の ターフの星が苦闘乗り越えまず1冠
[ 2024年4月10日 06:45 ] 競馬
-
【皐月賞】石橋守師 思い出勝負服のメイショウタバルと挑む!「大きなチャレンジ」
[ 2024年4月10日 05:30 ] 競馬
-
【皐月賞】メイショウタバル 中2週心配ない、陣営「いい状態で送り出したい」
[ 2024年4月10日 05:30 ] 競馬
-
【皐月賞】アーバンシック 上積みは大きそう、武井師「能力はあるので凄く楽しみ」
[ 2024年4月10日 05:28 ] 競馬
-
【皐月賞】シリウスコルト 経験値を生かす、宗像師「この馬らしい競馬をしてくれれば」
[ 2024年4月10日 05:28 ] 競馬
-
【皐月賞】サンライズジパング 一頓挫気になる、音無師「フレグモーネとはいえ…」
[ 2024年4月10日 05:28 ] 競馬
-
【皐月賞】コスモキュランダ 本番へ向け順調、陣営「成長している」
[ 2024年4月10日 05:28 ] 競馬
-
【皐月賞】ホウオウプロサンゲ 逃げる形が合う、陣営「長く脚を使ってくれる」
[ 2024年4月10日 05:28 ] 競馬
-
【アンタレスS】ヴィクティファルス 久々もいい状態、池添師「競馬場でのテンションがどうかだけ」
[ 2024年4月10日 05:18 ] 競馬
-
【アンタレスS】スレイマン 前走きっかけに、陣営「ビックリするような勝ち方でしたね」
[ 2024年4月10日 05:18 ] 競馬
-
【アーリントンC】ケイケイ 連勝の勢いあり、杉浦師「雰囲気はいつも通りの感じ」
[ 2024年4月10日 05:13 ] 競馬
-
【アーリントンC】ディスペランツァ しっかり動いた、吉岡師「マイルへの適性は十分で瞬発力もある」
[ 2024年4月10日 05:13 ] 競馬
-
【アーリントンC】オフトレイル “連覇”へ手応え、吉村師「長く脚が使えるので重賞でも」
[ 2024年4月10日 05:13 ] 競馬
-
G1・6勝の香港馬ロマンチックウォリアー 安田記念参戦へ!シャム師「われわれは必ず日本に行く」
[ 2024年4月10日 05:08 ] 競馬
-
オオバンブルマイ レーン継続騎乗で次走は香港G1、吉村師「次はいい馬場で走らせてあげたい」
[ 2024年4月10日 05:06 ] 競馬
-
【次走】アスコリピチェーノはNHKマイルCに向かう
[ 2024年4月10日 05:02 ] 競馬
-
【大井11R・東京スプリント】テイエムトッキュウ逃げて重賞連勝
[ 2024年4月10日 05:00 ] 競馬
-
【大井・ブリリアントC】サヨノネイチヤ 6連勝で重賞2勝目!内をこじ開けた
[ 2024年4月10日 04:55 ] 競馬
-
【武雄競輪 内川統詔コラム「狙いのウチガワ」】6R 吉田悟が雪辱の番手戦
[ 2024年4月10日 04:30 ] 競輪
-
【佐世保競輪 岡崎兼治コラム「打鐘日記」】11R 山口が差し脚軽快!「車は出ている」
[ 2024年4月10日 04:30 ] 競輪
-
【児島・G1児島キングカップ】菊地 会心捲りV!当地周年3勝目
[ 2024年4月10日 04:20 ] ボートレース