【ジャパンC】G1史上初!ドイル&菜七子&ヴェロン、女性騎手3人の競演

[ 2023年11月24日 05:30 ]

(左から)ホリー・ドイル、藤田菜七子、マリー・ヴェロン
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 23日、枠順が確定した第43回ジャパンC(26日、東京)は、日本のG1で史上初めて複数の女性騎手が騎乗する。マリー・ヴェロン(24=フランス)、ホリー・ドイル(27=英国)、藤田菜七子(26)の3人。平地G1で勝てばもちろん、馬券圏内に入っても史上初。そのチャンスは…ある。同レースの馬券は、24日午後6時半からインターネットで前売りがスタート。 

 ジャパンCの外国馬が馬券になったのは06年3着ウィジャボードが最後。東京競馬場の速い上がりに対応できる馬が少ない、あるいは対応できるレベルの馬が来ない、といった理由。イレジンも重馬場巧者――そう、すっぱり切ることはできるが、騎乗するフランス競馬界の新星マリー・ヴェロンは自信満々。

 「彼はとても気の合うパートナー。扱いやすいし適応能力が高いので、東京の高速馬場も気に入ってくれるはず。最後の直線を全力で追い込んでくれると思っています」

 ヴェロンはイレジンとのコンビで重賞初制覇、G1初制覇。フランス人女性騎手によるフランスG1制覇は史上初だった。快挙とともにリーディングを駆け上がるきっかけとなった愛馬。「私のような若い騎手が、これだけの馬に乗せてもらえるのはなかなかない。こうしたキャリアが積めるのは夢のようなこと。この馬を強くしてくれたチームのみんなのためにも、がっかりさせない結果を残したい」と力が入る。

 今年8月には、国際騎手招待のWASJで来日し、札幌競馬場でJRA初勝利。「レース展開や終盤の違いを体験できて良かった」。初コースで見せた順応力があり初の東京にも不安はない。意識するのは同郷のルメールと世界No・1イクイノックス。「イクイノックスは世界で最も素晴らしい馬。クリストフ(ルメール)のことも尊敬している。私も彼に続きたい」と大仕事を狙っている。

 ホリー・ドイルは落馬で負傷したムーアに替わり、昨年の覇者ヴェラアズールとコンビを組む。英国はもちろん欧州でもNo・1の女性騎手がJRA・G1初騎乗。「世界的に格が高いレースに乗れることが光栄だし、楽しみです」と意気込む。夫のマーカンドとともに2年連続でJRA短期免許を取得。日本での活躍は夫に先行され、悔しい思いをした。格上の存在感を見せたい。

 藤田菜七子はG1・3度目の騎乗。「後輩の女性ジョッキーが活躍していて、G1に乗る機会も増えると思う。私も負けてられない、という気持ちです」と先駆者として譲れない心意気。師匠・根本師の管理馬ウインエアフォルクに騎乗。「相手は強いけど、しまいを生かすこの馬の競馬に徹したい」とベストを尽くす。

 JRAの平地G1で女性騎手が勝利はもちろん、馬券圏内でも史上初。女性騎手3人がそろう史上初のG1で、3人は“史上初”を狙う。

 ◇ホリー・ドイル 1996年10月11日生まれ、英国出身の27歳。14年英国見習騎手免許取得。17年騎手免許取得。20年には史上3人目となる女性騎手の英国平地G1制覇。昨年に続き2年連続のJRA短期免許。JRA通算138戦6勝(23日現在)。夫はジャパンCでスタッドリーに騎乗するトム・マーカンド。

 ◇マリー・ヴェロン 1999年2月8日生まれ、フランス出身の24歳。16年10月にデビューし翌年初勝利。20年には女性騎手年間最多勝記録となる84勝でリーディング7位となり、女性騎手として初のトップ10入りを果たした。JRA通算6戦1勝(23日現在)。

 ◇藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県出身の26歳。16年3月にデビュー。19年フェブラリーSではJRA所属女性騎手として初めてG1に騎乗した。JRA通算3587戦160勝(23日現在)。

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