【札幌記念】2番人気プログノーシス 4馬身差圧勝 ついに全貌を現した怪物

[ 2023年8月21日 05:30 ]

<札幌記念>勝利したプログノーシスと川田(撮影・千葉 茂)
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 北の大地が誇るスーパーG2「第59回札幌記念」が20日に札幌競馬場で行われ、川田将雅(37)騎乗の2番人気プログノーシスが4馬身差の圧勝で重賞2勝目を挙げた。

 恐ろしいほどの爆発力。初角、後ろから2頭目にいたはずのプログノーシスが4角では前から数えて2番手にいた。内ラチ沿いを浮上した3歳馬トップナイフを直線入り口でかわせば、あとは独走。同馬とのコンビでは6戦6勝と負け知らずの川田は「胸を張っていい内容」と2万6000人超の大観衆の歓声を浴びる相棒を称えた。

 返し馬の感触は「そんなに良くなかった」上に、普段以上にうるさかったゲート。鞍上は「自分のリズムを大事に」とテーマを見いだした。後方で走りのバランスが取れるのを待ってから、徐々に位置を上げていく。これまで重賞では直線一気の戦法に徹してきたプログノーシスにとっては初めての経験。「馬が無理しない程度にポジションアップする形だったので、“それは許してあげて”というところでした」。ひるまず馬群を縫って一気に浮上。3角ではすでに1番人気ジャックドールをパス。誰もその加速力に追随できなかった。2着との「4馬身差」は札幌芝コースで行われた同レースでは最大着差。名牝エアグルーヴ(98年=3馬身)の記録を更新した。

 国内外通じて初めてのG1挑戦となった前走・香港クイーンエリザベス2世Cは、直線でスムーズに進路が空かなかったが、地元の雄ロマンチックウォリアーに迫る2着。川田は「ポテンシャルは非常に高いのですが、それを発揮するのがとても難しい馬」と評する。国内のG1は未出走だが、社台ファームの吉田照哉代表は「これで大きいところを意識できる。(秋の天皇賞が目標?)もちろん、黙っててもそこになる。大事に使われてきて、これで強いのが分かったので」と大舞台を展望した。G1馬3頭を含む豪華メンバーを寄せ付けなかった、遅咲きの5歳牡馬。英雄ディープインパクトの子供にはまだ、怪物がいた。

 ◇プログノーシス 父ディープインパクト 母ヴェルダ(母の父オブザーヴァトリー)18年5月15日生まれ 牡5歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績10戦6勝(うち海外1戦0勝、重賞2勝目) 総獲得賞金3億469万1300円。馬名の意味は予知(ギリシャ語)。

 《記録アラカルト》
 ☆騎手&調教師 川田のJRA重賞勝利は小倉記念(エヒト)に続き2週連続。今年10勝目、通算126勝目。中内田師はマーメイドS(ビッグリボン)以来で今年6勝目、通算36勝目。
 ☆種牡馬 ディープインパクト産駒の札幌記念Vは18年サングレーザー以来で通算4勝目。JRA重賞は天皇賞・春(ジャスティンパレス)以来で今年5勝目、通算286勝目。
 ☆東西構図 関西馬が3年連続勝利。通算成績は関西馬35勝、関東馬24勝。

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