【札幌記念】ソーヴァリアント 歴史的逆襲へ!レース史上初の前走2桁着順からV狙う

[ 2023年8月16日 05:30 ]

推しの馬

調教に向かうソーヴァリアント(撮影・坂田 高浩)
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 歴史的逆襲なるか。夏競馬唯一のG2「第59回札幌記念」でソーヴァリアントが前走・鳴尾記念12着から一変Vを狙う。芝2000メートルで施行された90年以降、前走2桁着順から勝った馬はいない。ただ、21&22年チャレンジC連覇の地力を考えれば軽視できない存在。重賞出走馬にスポットを当てる「推しの馬」では松浦達彦助手への取材を基に3つの角度から推しポイントを挙げた。

 大竹厩舎は今夏の北海道シリーズで好成績。先週終了時点で函館、札幌を合わせて【7・0・3・10】(勝率35%)でトップの勝利数を収めている。札幌に限っても【4・0・1・3】(勝率50%)で須貝厩舎に次いで2位だ。松浦助手は「狙っているのもありますし、美浦にいる時と変わらない運動量でじっくりやっているので、そういうところが結果に表れていると思います」と胸を張る。ソーヴァリアント自身も一昨年、札幌で2戦2勝。「乗っている感触がしなやかというよりパワフル。重戦車みたいな感じで洋芝が合っているんだと思います」と分析した。厩舎のいい流れに乗り、得意コースで目覚めるか。

 先週の調教から、ハミをダブルジョイントからリングハミに替えた。リングハミは掛かり癖がある馬などに使用され、口角と下顎の2カ所で制御する構造になっている。松浦助手は「競馬で折り合いに苦労する場面があったので。ダブルジョイントだと少し(制御力が)弱いので力が伝わりにくく、今までだとそれでも良かったんですが、効果が強いものに替えています」と経緯を説明。自身がつける普段の稽古、加えて1週前追いは荻野琢(レースはルメール)に感触を確かめてもらう一方で、自身は併走馬にまたがり、その様子を観察した。「今までよりワンポジション、馬が起きた状態でハミを受け入れてくれますね。競馬の時と比べて調教では手前をあまり替えなかったんですが、今回は操作性が増して替えていました。バランスが良くなっています」と効果を強調。レースでも使用する予定で、さらにメンコを着ける選択肢もある。「最終追いをして気持ちが盛り上がりすぎたり、当日のテンション次第では着けるかもしれません」と細心の注意を払う。前走・鳴尾記念は序盤にエキサイトし、直線は余力が残っていなかった。馬具を工夫してリラックスして走れば本来の実力を発揮できる。

 父オルフェーヴルは現役時代、10年京王杯2歳S10着→11年シンザン記念2着、12年天皇賞・春11着→宝塚記念1着と2桁着順から巻き返したように産駒も重賞でしばしば激変を見せている。21年以降、前走2桁着順だったオルフェーヴル産駒のJRA重賞成績は【4・・7・5・42】。種牡馬別2位の勝ち星で、トータル(13勝で7位)と比べてランキングが上がる。ソーヴァリアント自身も昨年のチャレンジC(1着)はオールカマー13着から変わり身を見せた。ちなみに同産駒で一番、勝っている騎手はルメールで28勝。21年アルゼンチン共和国杯は天皇賞・春10着以来のオーソリティを勝利に導いており、ソーヴァリアントを合わせて前走2桁着順からのJRA重賞は2戦2勝だ。松浦助手は「馬との折り合いや位置取りで、これで負けたら仕方ないと思わせる乗り方をしてくれます」と全幅の信頼を置いている。強敵撃破へ、好材料がそろった。 

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