【函館記念】ローシャムパーク 豪快ラスト11秒9!エアグルーヴ一族の素質馬覚醒気配

[ 2023年7月13日 05:25 ]

函館芝コースの併せ馬で追い切ったローシャムパーク(奥)  (撮影・千葉茂)
Photo By スポニチ

 夏の函館を締めくくる名物ハンデ重賞「第59回函館記念」(サマー2000シリーズ第2戦)の最終追いが12日、行われた。函館初参戦のローシャムパークは実戦と同じ函館芝コースで余力たっぷりに併入。エアグルーヴ一族の素質馬に覚醒気配が漂う。

 初挑戦の函館制圧へ。ローシャムパークは6日の1週前追いに続き、実戦でも走る芝コースへ入った。4戦ぶりにコンビ復活となるルメールが手綱を取り、ハウゼ(3歳2勝クラス)を3馬身追走。直線で内に入ると自らギアを上げて、楽々と併入でゴール。5F64秒5~1F11秒9。連日の雨でぬかるむ馬場も全く気にせず、豪快に駆け抜けた。

 「コンディションは良さそう。前走(むらさき賞1着)は凄くいい競馬だった。ハービンジャーの子だから重い馬場も大丈夫。2000メートルもぴったり。チャンスあります。いいスタートを切って、前の方で走れれば。いいペースを維持することができます」。ルメールは称賛の言葉をズラリと並べた。セレクトセールから函館に移動して見届けた田中博師は「しっかり折り合って、リズムも良かった。馬場は重ためですけど、反応も良く、ラストまで元気良く走れた。当週でも少し負荷を強めに意図した内容。本番を想定して先週、今週と芝でしっかり走れました」と穏やかに話した。

 4歳を迎えた今年は3戦2勝。2走前のスピカSこそ「状態がひと息」(同師)で5着に敗れたが、前走むらさき賞は中団から3F33秒3の鬼脚でごぼう抜き。指揮官は「思っていたのとは違う競馬になりましたが、あれだけの瞬発力で新たな一面を見せてくれた。今まではいい意味でワンペースの馬と思っていたので」と収穫を強調する。

 昨秋のセントライト記念ではガイアフォース(安田記念4着)、後の菊花賞馬アスクビクターモアに続く3着。当時4着セイウンハーデスが先週の七夕賞V、5着ラーグルフは中山金杯Vと超ハイレベル戦だった。同師は「セントライト記念の時の1、2着はあれだけの馬たち。みんな重賞で頑張っています。能力的にはタイトルを獲らなければいけない馬と思っています」と力を込めた。エアグルーヴ一族の素質馬が、タイトルをはっきり見据えて2度目の重賞舞台に挑む。

 ≪アドマイヤグルーヴやドゥラメンテなど名馬多数≫ローシャムパークの3代母であるエアグルーヴ(96年オークス、97年天皇賞・秋)を祖とする一族には活躍馬が多数。国内で最も繁栄した牝系の一つだ。初子のアドマイヤグルーヴは03、04年エリザベス女王杯連覇。その子ドゥラメンテは15年に皐月賞、ダービーを制した。ローシャムと同じひ孫の世代ではジュンライトボルトが昨年のチャンピオンズCを制し、一族初のダートG1制覇を達成。エアグルーヴは現役時、函館は未出走だが、同じ洋芝の札幌では97、98年札幌記念連覇を含む【3・1・0・0】の好成績を挙げた。

続きを表示

「2024 ヴィクトリアM」特集記事

「京王杯SC」特集記事

2023年7月13日のニュース