“平成生まれJRA最年少調教師”西園翔師 父の教え胸に新たな一歩、栗東で新規開業3調教師が初陣迎える

[ 2023年3月10日 05:00 ]

西園翔太調教師(撮影・亀井直樹)
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 今月、栗東で新たに厩舎を開業した緒方努師(44)、小栗実師(36)、平成生まれでJRA現役最年少調教師の西園翔太師(33)が今週そろって初陣を迎える。それぞれ調教助手として経験を積んで難関の調教師試験を突破、準備期間を経て新たな一歩を踏み出す。

 西園翔師は昨年に調教師免許を取得。その後は技術調教師として元調教師の藤沢和雄氏をはじめ矢作、松永幹、中村の各調教師、そして父・西園正都師の下で修業し、1日に晴れて新規開業した。

 「学ぶことはたくさんありました。考え方も人それぞれ。それぞれのいいところを取り入れて、やっていきたいですね。“若いから頼りない”と言われないように、試行錯誤しながら土台を積み上げていきたい」

 父・正都師はJRA・G1・4勝を誇るベテラン。調教師として切磋琢磨(せっさたくま)する日々が始まる。「(父親からは)スタッフは大切にするように、と言われました。追いつけ追い越せでやっていきたいですね」と前を向いた。一方、父の正都師は「あの若さで調教師試験に受かるのは難しいですよ。自分でこの世界で調教師になると言って入ってきた。ライバルだけど、尋ねられたらアドバイスはしていきたい。ここから37年、長いよね」と笑みを浮かべた。

 阪神土曜3R・3歳未勝利のプロスペリダードで初陣を迎える。西園正厩舎からの転厩馬。「父親の厩舎にいたので、よく知っている馬。時計的には動けていましたし、毛ヅヤもいいです」と好気配をにじませる。新馬戦は1番人気を背負って3着。先行力は持っている。8日に33歳のバースデーを迎えたばかり。長い旅路の始まり。ビーアンビシャス、未来に向かってまっしぐらに突き進む。

 ◇西園 翔太(にしぞの・しょうた)1990年(平2)3月8日生まれ、滋賀県出身の33歳。14年から父・正都厩舎(栗東)で調教助手を務める。4度目の挑戦で調教師試験を突破。栗東では平成生まれ初の調教師となった。思い出の馬は18年エプソムC2着ハクサンルドルフ。

 ≪44歳緒方師、若手に負けん≫東西で新たに開業した調教師で最年長44歳の緒方師は「若い調教師が増えている中、年上になるので負けないようにスタートダッシュを決めたい」。05年に栗東・松田国厩舎へ。大物がそろう環境で、その中でもダイワスカーレットに衝撃を受けた。「有馬記念(08年)を勝った馬の背中を経験できたことは大きい。スカーレットに負けないような馬づくりを目指したい」とG1・4勝の名牝を目標にする。コーリンラズベリーが先陣を切って阪神土曜1R・3歳未勝利へ。新馬戦は好位で運んで8着。「池添兼雄先生から、いい馬を引き継がせていただいた」。厩舎の門出となる今週は一頭入魂で臨む。

 《小栗師“きっかけ”大事に》小栗師は10年から栗東・鈴木孝厩舎ひと筋で馬づくりに励んだ。16年スポニチ賞京都金杯2着テイエムタイホーとの出合いが転機になったという。小栗師は「未勝利を勝った後、なかなか結果が出なかったけどメンコを外して軌道に乗った。何か一つのきっかけでガラッと変化することを教えてもらいました」と振り返る。デビュー週は中京土曜に2頭を起用する。5R・3歳未勝利のヤマカツラナウェイは1F延長。「前走は内から差を詰めていた。2000メートルでもロスなく運べば」。10R・恋路ケ浜特別のタイセイドリーマーは前走を含めて現級3着が2回。「早めに動く形のレースができれば」と期待を寄せた。

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2023年3月10日のニュース