21年年度代表馬・エフフォーリア電撃引退 激動2年半…復活期すもかなわず、社台SSで種牡馬入り

[ 2023年2月15日 05:30 ]

21年天皇賞・秋を制したエフフォーリア(右)=撮影・郡司 修
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 21年の皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を制し、同年のJRA賞年度代表馬に輝いたエフフォーリア(牡5=鹿戸)の電撃引退が14日、決まった。所有するキャロットファームが公式サイトで発表した。今後は父エピファネイアもけい養される北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りする予定。父が果たせなかったダービー、海外制覇の夢は産駒に託される。

 年度代表馬の復活の夢はかなわなかった。再起を懸けた今年初戦の京都記念。新馬戦から手綱を取る横山武が積極的に2番手を奪った。3歳時の闘志は戻ったかに見えたが、3~4コーナー中間で勢いを失い、ゴール前で鞍上が下馬して無念の競走中止。レース後に心房細動の診断が下りた。

 レース翌日の13日朝に美浦で検査を行い、心電図など異常はなかった。14日に所有するキャロットファーム、生産者のノーザンファームと鹿戸師が協議した結果、これまでの功労と今後を考え、現役生活にピリオドを打つ決断に至った。14日、鹿戸師は「僕にとっての宝物。ヒーローでした。残念ですけど、彼には種牡馬としての仕事もある。関係者と話し合って引退することになりました」と、しんみりと切り出した。

 栄光と涙。激動の2年半の競走生活だった。3歳時の21年皐月賞でG1初制覇。続く1番人気に推されたダービーはシャフリヤールと約10センチの鼻差惜敗。父エピファネイアと同じダービー2着だった。その無念を晴らすように天皇賞・秋ではコントレイル、グランアレグリアを一蹴してG1・2勝目。続く有馬記念も制し、年度代表馬に輝いた。

 「鼻差で負けたダービーは思い出に残ります。毎日眠れなくて…。あれほどプレッシャーを感じたことはなかったです。師匠(藤沢和師=グランアレグリアを管理)と同じG1で戦った天皇賞・秋も思い出です」と鹿戸師。

 今後は17日に美浦で再検査を行い、問題がなければ、同日中にノーザンファーム天栄(福島)に移動。同所で1泊した後、社台スタリオンステーションへ旅立つ。14日夕方、厩舎で愛馬をチェックした鹿戸師は「まだ使えるぐらいに本当にいい馬。だいぶ元気になって(脚部など故障がなく)無事で良かったと思います。できれば、エフフォーリアの子で大きいレースを獲りたい。勝てなかったダービーを勝ちたいです」と熱く語った。早ければ今年中に種付けを開始し、来春には産駒が誕生する。

 ◆エフフォーリア 父エピファネイア 母ケイティーズハート(母の父ハーツクライ) 18年3月10日生まれ 牡5歳 美浦・鹿戸厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績11戦6勝 総獲得賞金7億7663万6000円。馬名の由来はギリシャ語で「強い幸福感」。

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