【阪神JF】デビュー戦の衝撃再び リバティアイランド 剛脚2歳女王

[ 2022年12月12日 05:26 ]

<阪神11R・阪神JF>直線で豪快に突き抜けたリバティアイランド(左)(撮影・平嶋 理子)
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 2歳女王決定戦「第74回阪神ジュベナイルフィリーズ」が11日、阪神競馬場で行われ、1番人気リバティアイランドが外から差し切りG1初制覇を果たした。鞍上の川田将雅(37)は当レース初制覇で、朝日杯FS、ホープフルSと合わせ、史上3人目のJRA2歳G1完全制覇を達成。管理する中内田厩舎は当舞台のマイルCSに続く、今年G12勝目となった。

 G1舞台に間に合ったリーディング騎手の手綱さばきが光った。川田騎乗のリバティアイランドは直線外に進路を取り、態勢を整えて追い出しを開始。ラスト1Fで先頭に立ち、ダイナミックなフォームで加速していく。後続を突き放して2馬身半差Vに導いた。鞍上は5日の出国検査で新型コロナウイルスの陽性反応が確認され、香港の国際騎手招待競走(7日)を辞退。この日から騎乗可能となり、いきなり大仕事を成し遂げた。

 「僕の個人的なことでたくさんご心配、ご迷惑をおかけしました。本当に乗れたことをありがたく思いますし、一番いい結果を得てくれてほっとしています。無事に、この馬らしい走りを見せてくれて何よりですね。直線に入った時点で、これなら負けることはないかなと。あとはゴールまで無事に連れて行くだけでした」

 逃げたサンティーテソーロが前半5F57秒0のハイペースで飛ばす中、中団を追走。鞍上は「彼女自身が取りたいポジションを取らせてあげて、リズム良く走ってくることに重きを置いて進めていました。能力の高い馬ですから、気持ち良く走ってくれさえすればと」。デビューからコンビを組むパートナーのポテンシャルを信頼していた。

 新潟の新馬戦Vでマークした上がり3F31秒4はJRA史上最速タイ。中内田師は「数字にはびっくり。そんなに脚を使わなくてもいいのに」と苦笑いを浮かべるほどの非凡な切れ味だった。2戦目のアルテミスSは断然人気で2着。直線は囲まれて動けなかったが、道中から馬群に入れて競馬を教えた。「多頭数になるのでここに向けて経験を積ませたかった」と振り返る。中内田厩舎はこれで2歳重賞23戦12勝。レースでの経験を生かして早くから素質開花につなげてきた。

 これで2歳G1完全制覇となった川田は今年139勝を挙げ、2位の戸崎に12勝差をつけてリーディング首位をキープしている。残す競馬開催は5日間となり、初のタイトルも見えてきた。「今年こその思いで頑張っていますので精いっぱいやりきりたいと思います」と意気込みを語った。

 圧倒的な強さを見せたトップジョッキーと2歳女王のタッグは来年も続いていく。中内田師は「まだ精神的にも2歳牝馬らしいところがあるし体も緩さを残している。成長の余地はある。いい勝ち方をしてくれたしクラシックを狙える器だと思っています」。来春の大舞台でも主役の座は譲らない。 

 リバティアイランド 父ドゥラメンテ 母ヤンキーローズ(母の父オールアメリカン)20年2月2日生まれ 牝2歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金8543万2000円。馬名の由来は米アッパーニューヨーク湾の自由の女神像が建っている島。

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2022年12月12日のニュース