元名騎手“ターフの勇姿”もう一度 ジョッキーマスターズ再会一考を

[ 2022年9月2日 05:00 ]

岡部幸雄さん(左から2人目)を囲んで笑顔の現役騎手たち(撮影・平松 さとし)
Photo By 提供写真

 【競馬人生劇場・平松さとし】

 先週、札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズは武豊騎手が優勝。現役でいながら伝説となっているジョッキーがまたひとつ、足跡を残す形となった。

 コロナ禍で3年ぶりとなったこの開催を見て、ふと思ったことがある。

 「ジョッキーマスターズはもう何年やっていないのだろう?」
 2007年、東京競馬場のフジビュースタンド完成記念として、既に現役を退いた過去の名ジョッキーたちを集めて第1回が行われると、すぐ翌08年には第2回が開催された。

 岡部幸雄さんをはじめ、河内洋調教師や安田隆行調教師、松永幹夫調教師ら、いずれ劣らぬ伝説の元名騎手が騎乗。第2回ではジャパンC勝ちのあるランス・オサリバン調教師やマイケル・ロバーツ調教師のほか“鉄人”と称された7000勝騎手の佐々木竹見さんらも招待。現役騎手がスターターや誘導馬の騎乗者を務めたり、名馬オグリキャップが来場したりと、外堀も埋めて大きな話題となった。最終レース終了後に、馬券発売は行わず、エキシビションとして開催されたが、多くのファンが競馬場に残りこれを観戦。現役ジョッキーたちも同様に、ほとんどの騎手たちが居残ってこのレースを観戦していた。

 結果は第1回、第2回とも若さにモノを言わせた(?)河内調教師が優勝。岡部さんは5、3着だったが、レース終了後「いやぁ、さすがにレースはもうキツい」と顔をしかめる岡部さんを現役ジョッキーたちが笑顔で迎えたシーンはいまだに忘れられない。

 あれから14年が過ぎたが、第3回はまだ行われていない。たとえエキシビションといえ、競馬となれば危険も伴うだけに、ご高齢(?)の、しかも調教師といった責任を背負う立場の人たちを乗せるのには慎重にならざるを得ないのだろう。それは当然だ。しかし、同時に、当時の盛り上がりを思い出すと、蛯名正義調教師や四位洋文調教師、武幸四郎調教師ら、新人(?)が騎乗する第3回を見たいと願うファンも多いだろう。一考の余地はありそうだ。 (フリーライター)

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2022年9月2日のニュース