清水愛海 巧腕魅せるぞ!ボートレース山口支部に新星誕生の予感

[ 2020年11月18日 05:30 ]

ボートレース徳山でデビューを果たした127期生の清水愛海
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 ボートレースの山口支部にニューヒロイン誕生の予感がする。11月2日、ボートレース徳山でデビューを果たした127期生の清水愛海(20)だ。ボートレーサー養成所の訓練では転覆と落水を繰り返しながらも、女子で史上初めてリーグ戦勝率1位に輝き、修了記念レースでもチャンプの座を射止めた。デビュー戦を終えた未来のスター候補の素顔に迫った。

 好きな言葉は「七転び八起き」。4回目の受験で悲願の入所を果たしたボートレーサー養成所での清水は、まさにその言葉を体現して過ごした。訓練期間中は何度も転覆と落水を繰り返し、水面に飛び込んだのは実に45回。強くなるために努力を惜しまず、水面に叩きつけられながらも、そのたびにはい上がった。

 現在のリーグ戦方式になってからは、女子で初めて勝率1位に輝き、修了記念レースでも女子で史上6人目の頂点に立った。

 女手一つで育ててくれた母に恩返しをするため、高校3年時に「高収入、1年でプロになれるのが魅力」のボートレーサーを志した。ボートレースを知った際に開催していた宮島で初観戦。その後も徳山で観戦し「スピードと迫力が、格好良かった」。4回目のチャレンジで合格。この秋から、晴れてプロデビューを果たした。

 自分自身を「ネガティブなんです」と評する20歳。養成所では技術だけでなくメンタル面も鍛えられた。「精神的にも少し強くなったと思います」。休日の過ごし方は「レース場で練習することが多いですね」。強くなるため、そして、母へ恩返しするために、常にボートレースと向き合っている。

 7日に幕を閉じたボートレース徳山でのデビュー節は、1走目にいきなり転覆。その後も大敗が続いた。

 「全てにおいてレベルアップが必要。養成所の成績は過去のことで、今は真っ白な状態。その分、伸びしろはある。一つ一つ成長して、荘林教官のような、選手としてだけでなく、人として中身のあるレーサーになりたい」

 男子と対等に戦うボートレースでの挑戦は始まったばかり。武器である男子顔負けのハンドルさばきと、自身が持ち味と話す「諦めの悪さ」で、輝かしい未来へ突き進む。

 ≪目標は荘林教官≫清水が尊敬、目標とする人物に挙げたのは現役レーサーではなく、荘林幸輝ボートレーサー養成所実技教官。清水の127期担当の教官である。デビュー節の前後は電話で激励もした恩師は、清水の第一印象を「泣き虫」と笑いながら話した。「かと思えば、朗らかな感じもあったり。感情豊かな、いい意味で不器用な子でしたね」と振り返る。「転覆や落水は45回。これまで見た中で一番多かったと思う。ただ、失敗ではなくてチャレンジしてのもの。アドバイスを実直に、真っすぐに実践して逃げずに頑張った」。今や男子のトップとも対等に渡り合う大山千広(24)の名前を引き合いに出して「いいものを持っている。養成所の段階で、あそこまでハンドルが切れるのは男子でもなかなかいない。当時の大山千広よりも清水の方が上だと思う。大山は、デビューしてから努力して強くなった。早くレースに慣れて、みんなから好かれる、かわいがられるレーサーになってほしい」と活躍を期待した。

 ◆清水 愛海(しみず・あみ)1999年(平11)11月23日生まれ、山口県柳井市出身の20歳。中学時代は陸上部、高校時代はバスケットボール部に所属。好きな食べ物は鍋(特にキムチ鍋)。1メートル59、血液型O。

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