手応えと悔しさの夏――デビュー2年目、団野「大成」誓う

[ 2020年9月2日 05:30 ]

期待の若手騎手に聞く

夏に確かな成長を示した団野大成
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 デビュー2年目の団野大成(20)。北海道を主戦場とした夏は、いいことも苦い出来事もあった。19歳の昨夏が「名前を覚えてもらうだけでも必死だった」なら、今夏は大きく成長したと周囲が認め、騎乗馬の質と数がグンと良化した。しかし7月5日の福島競馬で落馬負傷。当日のラジオNIKKEI賞は乗り替わりを余儀なくされ、騎乗予定だったバビットは代打騎乗のベテラン内田で勝利。「あの落馬で結果として函館リーディング争いから遠ざかってしまったし、内田さんの勝った重賞も病院のベッドでテレビを見てました」と唇をかんだ。とはいえ、落馬で函館の開催を3日留守にしつつも最終週までリーディング争いを演じたのは活躍した証だ。

 その函館では憧れの先輩ジョッキー武豊から粋な計らいがあった。1年目の昨夏は食事の席を願い出て実現したものの、緊張のあまり頭の中は真っ白になり記憶はほぼゼロ…。今年も「ぜひ、話を聞かせてください」と志願。ケガから復帰する週とあって快気祝いの趣にもなったが、途中で店員から運ばれてきたのがケーキと、♪ハッピーバースデーの声。6月22日に20歳になっていた団野を、武豊がアイデアを出して祝ったのだ。団野は「今年の夏で一番うれしかった出来事です」と素直に喜んだ。

 先輩や仲間から「タイセー」と呼ばれ、かわいがられているのはハタから見ていても伝わってくる。

 「ジョッキーとして大事なのは基本に忠実に騎乗技術を磨くこと。あと一社会人としてあいさつや感謝の気持ちを持つことも心掛けています」

 札幌開催の6勝に満足した様子はない。札幌2歳Sはアオイゴールドに騎乗。「一発、狙うくらいの気持ちで」と若武者は意気込んでいた。=終わり=

 ◆団野 大成(だんの・たいせい)2000年(平12)6月22日生まれ、滋賀県出身の20歳。競馬学校35期生。栗東・斉藤崇厩舎所属。昨年3月にデビューし、初勝利は3月17日阪神12R。父・勝(まさる)助手の担当馬タガノジーニアスで挙げた。1メートル61、47キロ。血液型A。

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