斎藤新、スランプ脱却できた“先輩”の言葉 「思い切って乗れ、楽しめ」胸に重賞初V

[ 2020年7月22日 05:30 ]

重賞初制覇して勢いに乗る斎藤新
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 斎藤は5日のCBC賞でラブカンプーとコンビを組んで13番人気で逃げ切り勝ち。一昨年スプリンターズS2着の実績がありながら、その後スランプに陥っていたパートナーを復活Vに導いた。東西合わせて7人いる同期で一番乗りとなる重賞制覇。条件戦やオープン特別と同じ1勝でも重賞となると、やはりインパクトが違う。翌週、栗東ではアチコチで厩舎関係者に「おめでとう」「良かったな」と声を掛けられ、そのたびに「ありがとうございます」と丁寧に返していた。

 「勝ってすぐは自分自身フワフワしていたけど、たくさんの人に声を掛けていただき、重賞を勝ったんだと実感できました」

 美浦のトレーナーである父・斎藤誠師からも連絡があって「おめでとう。これからも、お互い頑張ろう」と祝福され、気持ちを新たにしたという。

 ラブカンプーと同じく自身も、あの日まで長いトンネルに入っていた。5月30日に勝ち、6月はそれまで経験したことがない月間勝ち星ゼロで終了。「デビューした時からコンスタントに勝たせていただいたけど初めて勝てなくなって、その間に同期がバンバン勝っているし、焦りました」と当時を振り返る。そんな苦しい時に励みになったのが師匠・安田隆師の長男で厩舎を支える安田景一朗助手や偉大な先輩ジョッキー・岩田康の言葉だ。

 「景一朗さんや岩田さんが小まめに連絡してくださって思い切って乗れ、楽しめと言われました。それで勝てなくてもいいからガムシャラに、とにかく楽しもうと思いました。CBC賞はラブカンプーにとって変わるきっかけになったと思うし、僕自身もあの勝利をきっかけに夏以降、勝ち星を積み重ねていきたい」

 常に感謝の気持ちを忘れない。岩田望や亀田、団野ら19年デビューの同期は仲が良く、ライバルというより大事な友人であり結果で刺激し合える存在。切磋琢磨(せっさたくま)しながら日々、腕を磨いていく。

 ◆斎藤 新(さいとう・あらた)2001年(平13)2月9日生まれ、茨城県出身の19歳。父は美浦の斎藤誠師。13年ジョッキーベイビーズで日本一。競馬学校卒業時には騎乗技術が最も優秀な生徒に贈られる「アイルランド大使特別賞」を受賞。安田隆厩舎から昨年3月にデビュー。1年目は中央と地方を合わせて44勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を受賞。JRA通算62勝。1メートル64・6、47・2キロ。血液型O。

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