【WASJ】菜七子 憧れリサからメッセージ「真っ向勝負よ」

[ 2019年8月20日 05:30 ]

菜七子(左)にメッセージを寄せたリサ・オールプレス
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 「2019ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」(24、25日、札幌)に初選出されたリサ・オールプレス(44=ニュージーランド)がスポニチ本紙を通じて、藤田菜七子(22)にメッセージを寄せた。日本人女性騎手として同大会史上初めて出場する菜七子にとって、リサはJRA競馬学校時代から憧れ続けた特別な存在。WASJは2人の3年ぶりの再会の場ともなる。菜七子は19日、北海道・帯広競馬場で開催された「ばんえい競馬 JRAジョッキーDAY」でエキシビションレースに2年連続で騎乗した。

 親愛なるNANAKOへ――。

 あなたの最近の活躍は全て知っているわ。今年に入ってG1初騎乗。スウェーデンのシリーズ(ウィメンジョッキーズW杯)で優勝したのは、きっと大きな自信になったでしょうし、シャーガーCで世界のトップジョッキーたちと一緒に乗ったことも素晴らしい経験になったことでしょう。私も日本はもちろん、シンガポールやマレーシアでも騎乗してきたけど、いろいろな国の競馬を知ることは本当に勉強になる。

 私が菜七子と初めて出会ったのは、短期免許で来日した16年。厩舎でやるバーベキューで一緒になって、話をしたのよね。とても真面目で良い子というのが第一印象。その時に、「体重の軽い女性が馬上で体勢を保つには、脚の筋肉をつけることが一番大切」と話したの。その後は筋力トレーニングに励んでいると聞くから、菜七子が私のアドバイスを覚えてくれているんだと思うとうれしいわ。

 私は父がジョッキーだったし、ニュージーランドでは今でも騎手の半数近くが女性と恵まれている環境だったこともあり、リーディングを獲得することができた。でも、菜七子は競馬関係者と血縁があるわけではないし、日本の競馬界が男社会であることも私自身、経験してよく知っている。その中でJRA唯一の女性騎手としてデビューして、プレッシャーを押しのけて年々、成績を伸ばしているのは本当に立派です。

 今回は3年ぶりの来日で、WASJに参加させていただきます。実は騎手になる決心をさせてくれたのも日本でした。ワーキングホリデーで来日した94年に東京競馬場でジャパンCを観戦して、マーベラスクラウンが鼻差の接戦を制して優勝。感動が止まらなかった。そして騎手になった頃から、母国ニュージーランドのランス・オサリバン騎手がワールドスーパージョッキーズシリーズ(WASJの前身大会)に何度も参加(87~02年に計9回出場)している姿に憧れて、私も長年出場を熱望してきたの。その夢がようやく実現して、しかも菜七子と一緒に選ばれた。3年前はまだまだ可愛いお嬢さんという感じだったけど、多くの経験を積んで随分と成長してたくましくなっていることと思います。再会するのが今から楽しみで、待ち切れないわ。互いに全力を尽くして、女性騎手の素晴らしさを見せたいわね。では、札幌で会いましょう!(ニュージーランド騎手)

 ◆リサ・オールプレス(Lisa Allpress)1975年5月20日生まれ、ニュージーランド出身の44歳。96年にリサ・マンビーとして騎手デビュー。02年にカール・オールプレス調教師と結婚し、のちに2人の男児を出産。10年12月にキャプテンクックSを制し、母国でのG1初制覇。13年2月6日にニュージーランドの女性騎手として初の通算1000勝を達成し、同年8月にシャーガーC(英国)で女性選抜チームの一員に選出される。11~12年シーズンに159勝、15~16年に171勝、18~19年に133勝で3度のリーディングを獲得。日本では過去3回(02、15、16年)短期免許で騎乗し、15年の新潟大賞典(G3)では13番人気ナカヤマナイトを2着に導いた。JRA通算241戦11勝。1メートル48、46キロ、血液型A。

 ▽ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ) 87年創設の国際騎手招待ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)が前身。主に年末の阪神で開催(90年は京都、10、12、14年は東京)していたが夏競馬の振興を図るため15年から札幌開催へと移設。名称も変更。JRA7人、地方・海外招待7人の計14騎手が2日間4競走の総合ポイントで順位を争う。今年は24日10Rが第1戦(芝1200メートル)、11R第2戦(芝2000メートル)、25日10Rが第3戦(ダート1700メートル)、12R第4戦(芝1800メートル)の4競走で争う。個人戦に加え、JRA選抜とWAS選抜(地方&海外騎手)が合計得点で競うチーム対抗戦も実施。個人戦の賞金は1位300万円、2位200万円、3位100万円。

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2019年8月20日のニュース