日本人女性初!菜七子 8・10真夏のチーム対抗戦「英シャーガーC」参戦へ

[ 2019年7月17日 05:30 ]

シャガーCに女性選抜チームの一員として参戦する藤田菜七子 (撮影・西川祐介)
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 世界女王、今度はイギリスへ!藤田菜七子(21)が12人の世界のトップジョッキーによって競われるチーム対抗戦「シャーガーカップ」(8月10日、英国アスコット競馬場)に女性選抜チームの一員として参戦することが16日、分かった。「ウィメンジョッキーズワールドカップ」(6月30日、スウェーデン)での総合優勝を評価されての選出で、菜七子が再び世界を舞台に戦う。また、世界選抜チームの主将に川田将雅(33)も選出され、同大会で日本人騎手が同時に2人選出されるのは初。日本中央競馬会(JRA)から17日にも正式発表される。

 武豊、横山典、戸崎と名だたる日本の超一流ジョッキーが参戦してきたシャーガーC。00年に蛯名が日本人騎手として初出場して以降、これまで9人が参戦している。昨年は世界選抜チームの主将を務めるなど最多8回の出場を誇る武豊は「日本で行われているワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)のさらにグレードの高い催し。招待されるだけで名誉なこと」と位置付ける同大会。過去に招待された日本人騎手は全て男性で世界選抜チームで出場。菜七子は初の日本人女性騎手として、女性騎手選抜チームに入る。

 菜七子は6月30日のウィメンジョッキーズW杯で5戦中1着2回、2着1回で総合優勝。「本当に良い経験となったし、この優勝は私の騎手人生における重要なステップになると思います。そして、私自身もまた海外に行きたい、海外で勝ちたいという気持ちが強くなりました」と話していた。さらに世界女王となったことで、英国のレーシングTVでディレクターを務めるS・ヴァンス氏が「今すぐにでも、NANAKOが英国で騎乗する姿を見てみたい」とツイートするなど、競馬の本場からも熱烈ラブコール。歓喜の世界女王となってからわずか半月で、英国王室が所有する伝統の競馬場アスコットで騎乗することが決まったのだ。

 同大会には、菜七子が「私より身長も低いのに、パワーがあってガッツもある」と憧れ、尊敬してやまないリサ・オールプレス(44=ニュージーランド)も13年に出場した。昨年の女性選抜チームは08年に英国競馬で女性騎手による史上初の年間100勝を記録したヘイリー・ターナー(36)が2勝を挙げて個人戦優勝。その活躍で団体戦も女性選抜が優勝を決めた。ターナーは今年も出場が予定されている。

 菜七子は8月10日の同大会で騎乗後はすぐさま帰国し、自身重賞初制覇が懸かる交流G3クラスターC(同12日、盛岡)でコパノキッキング(セン4=村山)に騎乗する強行軍。今夏のヒロインは紛れもなく菜七子となりそうだ。

 ≪横山典、武豊、池添はチーム優勝≫これまで参加した日本人騎手は全て「世界選抜チーム」での選出。横山典(第3回)、武豊(第5、6、8、13回)、池添(第17回)の3人がチーム優勝を果たしている。個人順位の最高は第9回大会の武豊で2位。1、2Rを連勝して主導権を奪ったが、3R7着、4R9着、6R3着で総合37P。50Pを獲得したジェラルド・モッセ(仏国)にあと一歩及ばなかった。

 ◆シャーガーカップ 例年、8月の第2土曜日に開催される騎手招待競走。大会名は81年のエプソムダービー馬シャーガーに由来している。99年からスタートし、第1回はヨーロッパ選抜と中東選抜の2チームで行われ、第2回(00年)からはイギリス・アイルランド(英・愛)選抜と世界選抜での対抗戦に変更。その後、07年から英、愛、欧州、世界選抜の4チームによる対抗戦となり、さらに12年からは英愛選抜、欧州選抜、世界選抜、女性騎手選抜の4チームとなった。例年はダッシュ(直線1000メートル)、ステイヤー(3200メートル)、チャレンジ(2400メートル)、マイル(1600メートル)、クラシック(2400メートル)、スプリント(直線1200メートル)の6競走(全て芝)を実施し、各騎手がそれぞれ5レースに騎乗。1着15P、2着10P、3着7P、4着5P、5着3Pのポイント制で争う。また、個人別1位の騎手にはシルバーサドル賞が与えられる。

 ◆アスコット競馬場 バッキンガム宮殿と並ぶ王室一家の居城・ウィンザー城から約10キロの位置にあり、英国王室の所有として知られる。1711年に建設された。コースは直線を3つのコーナーでつないだ三角形。右回りで1周約2800メートル、最終コーナーからゴールまでの直線は約500メートル。キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、プリンスオブウェールズS、チャンピオンSなどが施行されている。

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