【安田記念】アーモンド“涙”3着…スタート直後不利受けG1・6連勝ならず

＜安田記念＞3着でレースを終え、厩舎で眼をうるませるアーモンドアイ（撮影・郡司　修）
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　単勝1・7倍、断然人気に支持されたアーモンドアイは3着に敗れた。課題のスタートは無難に決めたが、直後にアクシデントが襲う。大外発走のロジクライが内側によれ、その影響で並んでいたダノンプレミアム、アーモンド、ペルシアンナイトがドミノ倒しのように接触。位置を下げざるを得なかった。「残念。5馬身くらいの不利になった。G1で、しかもマイル戦。（影響が）大きかった」。ルメールは表情に悔しさをにじませながら振り返った。国枝師も「スタートが全て。上位2頭はスムーズだったから。ちょっと厳しかったね」と肩を落とした。

　日本最強馬の意地は示した。中団馬群でコーナーから直線半ばまで、併走するプレミアムに外からふたをされる苦しい展開。それでも残り200メートルで前が空くと、メンバー最速となる極限の3F32秒4の末脚を発揮。先に抜け出した上位2頭を首＋鼻差まで追い詰めた。ルメールは「道中は手応え良く直線もよく伸びた。これも競馬。彼女のせいではない。最後まで頑張った」と愛馬をねぎらった。

　国枝師も「ただでさえ不利な外枠で、余計に不利になってしまった。馬の歩様とかは問題ないのでよかったよ」と前を向いた。今後については「ひと息入れて秋のG1を目指したい。できれば暑い時季には使いたくない」と夏場の休養を明言。師は凱旋門賞断念時に「ジャパンC連覇が一つの目標になる」と話したが、そのために天皇賞・秋へ直行するプランはあるのか？報道陣の問いかけに「それもありうる話。オーナーと相談する」と語った。

　G1・6連勝は夢と消えたが、鮮烈な末脚は7万観衆の脳裏に焼き付いた。力負けではない。「競馬だから。いろいろあるんだよ」。痛恨のスタートを悔やんだ指揮官も、最後は吹っ切れた表情で競馬場を後にした。