【日本ダービー】23歳石川 平成生まれ初栄冠へ!ファイトで2度目の挑戦

[ 2019年5月20日 05:30 ]

平成生まれ初のダービー制覇に燃える石川
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 「第86回日本ダービー」で石川裕紀人(23)がエメラルファイトとともに平成生まれ初のダービージョッキーの称号を狙う。平成7年生まれの石川は2度目のダービー騎乗。所属する相沢厩舎の馬では初めてG1舞台に上がる。また、平成元年生まれの三浦皇成(29)はクラージュゲリエ、出走最年少で平成10年生まれの横山武史(20)は父・典弘の代打でリオンリオンへの騎乗が決まった。新時代のダービーには新時代のジョッキー。令和元年に平成ジョッキーたちが名乗りを上げる。

 「かわいいじゃなく、こいつ格好良くなったんです」。エメラルファイトに対する記者の言葉を石川はやんわり訂正して続けた。「顔に凹凸がなくて子供っぽかったのが、ゴツッとして男らしい顔になった」。

 スプリングSは10番人気の伏兵扱いだったが、中団から差し切る会心の勝利。デビュー前から付きっきりで調教をつける石川には自信があった。「手がかからないセンスがいい馬。朝日杯FS(6着)で切れる脚も使えることが分かった。白梅賞も強い勝ち方。やれると思った」。ただ、その朝日杯と白梅賞はビュイックと藤岡康に手綱を譲っている。「めちゃくちゃ悔しかったけど2人のレースを見て気付くこともあった」。乗れなかった2戦を踏まえ、ダービー切符を完璧な騎乗でつかみ取った。

 ダービーを共に戦う相棒は右前脚の捻挫で皐月賞を回避した。慎重に立ち上げながらも順調にきている。「体調は上がってきた。以前はトモや腰が弱かった。まだ本格化は先でも、そこは良くなってきていると感じる。折り合いはつくので道中をロスなく進みたい」。本番へのイメージも膨らんでいる。

 16年イモータル(15番人気15着)以来、2度目のダービー騎乗。「先入れで真っ先に歓声を浴びた。馬を落ち着かせるので感動どころではなかった。ただ、選ばれた18頭しか出られない。後方からでもダービーは凄かった。自厩舎の馬で出られる。こんなに幸せなことはない。平成生まれ初のダービージョッキーになれたら…」。澄んだ目が輝いた。

 17年7月に重賞初制覇(ラジオNIKKEI賞、セダブリランテス)。だが、直後に大ケガで9カ月の戦線離脱を強いられた。若手のホープと評価され、上り調子の時。苦い経験だ。騎手として「とにかく経験値がないのが課題」と話す。23歳なら当然。その分は見て、聞いて、考えて補う。各国の名手が訪れ、若手には厳しい時代だがワールドクラスの騎乗を生で見られるとプラスに捉える。ダービーでサートゥルナーリアに騎乗のレーンは25歳と年も近い。「勉強になるし若い騎手の活躍は刺激になる」

 平成生まれは、競争に弱いなど、やゆされることもある。だが、石川にそんな雰囲気はみじんもない。「凱旋門賞を初めて勝つのは僕です」と競馬学校2次試験の面接で言い放ったことは有名だ。真っすぐに勝利だけを見つめて努力できる男。平成生まれ初の栄冠に向け、相棒と全力で挑む。

 ◆石川 裕紀人(いしかわ・ゆきと)1995年(平7)9月22日生まれ、東京都出身の23歳。美浦・相沢厩舎所属。14年3月1日、中山7R(ミストフェリーズ11着)で初騎乗。同6月1日の東京2R(ニシノソラカラ)で初勝利。同年12勝を挙げ、民放競馬記者クラブ賞獲得。2年目の15年は40勝で中央競馬騎手年間ホープ賞。通算2792戦145勝(地方14戦1勝)。重賞2勝。最近ハマっているのはYouTubeの「チャンネルがーどまん」。好きな食べ物は焼き鳥(肉は塩派)。1メートル62、50キロ。血液型A。 

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