【天皇賞・春】ディープ産駒快挙!フィエールマン 最少キャリア6戦目で盾獲り

[ 2019年4月29日 05:30 ]

<天皇賞・春>直線、グローリーヴェイズ(右)との叩き合いを制し平成ラストの天皇賞春を勝利したフィエールマン(撮影・亀井 直樹)
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 平成は「ディープインパクトの時代」だった。し烈な直線の攻防と共に、そう記憶されることだろう。ディープ産駒2頭のマッチレース。最後は内のフィエールマンが“唯一のG1馬”の貫禄を見せつけた。手塚師は「しびれました。4角の手応えが良かったのでかわされないと思いました。天皇賞を勝てて、春の目標をクリアできました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 横綱相撲だった。きれいなスタートが切られると、フィエールマンとルメールは迷わず後方に下げてリズムを重視した。縦長の隊列で1000メートル通過が59秒8と長距離戦にしてはスリリングな展開。中団で折り合いもスムーズに追走し、2周目の向正面で外から徐々に上昇すると坂の下りでスピードに乗せて4角で先頭へ。直線は鞍上の渾身(こんしん)の左ムチに応えて首だけ先着した。

 6戦目での天皇賞・春優勝は1947年のオーライトの9戦目を大幅に更新する最少キャリアV。時代の終わりに登場した天才児は“鬼門”をもあっさりと突破した。JRA・G1・47勝を挙げるなど頂点に君臨し続けた種牡馬ディープインパクトも、天皇賞・春だけは昨年まで延べ15頭が出走して13年トーセンラーの2着が最高。悲願の父子制覇を成し遂げ、ヒンドスタン、パーソロン、サンデーサイレンスに続き種牡馬として史上4頭目となる8大競走完全制覇を達成した。

 G1・2勝目を挙げたことで、登録を済ませている凱旋門賞(10月6日、パリロンシャン)参戦が現実味を帯びてきた。所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表(45)は今後について「レースごとの消耗が激しいタイプで目標を立てにくい。宝塚記念は目標にせず、もっと先になるかな」と見通しを語る一方で、凱旋門賞については「体もあるし、フランスの馬場もこなせそう。様子を見てから、プランを立てたい」と前向きに話した。

 ルメールも「レースごとに強くなります。次も楽しみ。凱旋門賞に行ったらチャンスあると思います」とその能力に太鼓判を押した。名実ともに古馬中長距離路線の主役に躍り出たフィエールマン。時代を股にかけるスターの誕生だ。

 ◆フィエールマン 父ディープインパクト 母リュヌドール(母の父グリーンチューン)牡4歳 美浦・手塚厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦4勝 総獲得賞金3億5689万3000円。

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