【菊花賞】ヴァルカン 外傷でぶっつけも“成長の証”

[ 2016年10月19日 05:30 ]

友道厩舎2週連続G1勝利を狙うジュンヴァルカン
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 【G1ドキュメント=18日】スタミナ勝負の菊花賞は全馬が未知の舞台。過去、春に活躍した馬で距離の壁に沈んだ人気馬は数多い。今年最有力と目されるダービー2着馬サトノダイヤモンドも「3000メートルはベストではない。こればっかりは走ってみないことには分からない」(池江師)と、素質を認めながらも適性の有無には言及しなかった。

 一方で波乱を演出しているのが「上がり馬」。穴馬探しに奔走した細原が目を付けたのはジュンヴァルカンだ。ソツのないレースぶりで条件クラスを連勝。いかにも消耗戦に強そうな、相手なりに走れるタイプ。ただ、予定していた神戸新聞杯は両トモの外傷で回避。ぶっつけ本番で臨むだけに出来が気になるところだ。担当の平間助手が経緯を説明する。

 「調教で踏み込む力が強すぎてクモズレ(後肢の球節の下部にできる出血)を起こしてしまった。春はこんなことはなかったんですが…蹴り上げる力が本当に凄いんです。回避はしたけど、8月から乗り込み続けて力は出せる状態。折り合いはつくので、距離はこなせると思います」

 500キロ超の大型でデビューからトモに緩さが残っていただけに、これは“成長の証”とみていい。さらに厩舎の勢いも後押し。友道厩舎は先週の秋華賞をヴィブロスでV。牝馬3冠全てで2着に終わった姉ヴィルシーナの無念を妹が晴らした。思えばヴィブロスも春は体質の弱さがあり出世が遅れた馬。それが想像を超える成長力でラスト1冠をもぎ獲った。厩舎2週連続G1勝利は、夢物語ではないと細原は強く感じた。

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2016年10月19日のニュース