【マイルCS】フィエロ雪辱へ進化 2着の昨年より“トモしっかり”

[ 2015年11月17日 05:30 ]

休み明けを叩いて良化気配のフィエロ

 昨年の雪辱Vへ――。今週は最強マイラー決定戦「第32回マイルチャンピオンシップ」が行われる。今年も混戦模様だが、昨年2着の実力馬フィエロに“本番仕様”の好気配が漂う。前哨戦のスワンS(2着)を叩いて上昇ムード。進化し続ける6歳のベテランホースだが、いまだ重賞未勝利。先週のエリザベス女王杯のマリアライト同様に悲願の重賞初制覇をG1タイトルで達成するつもりだ。

【マイルCS】

 フィエロはマイル戦線で上位争いを繰り広げてきた6歳の実力馬。昨年のマイルCSは鼻差2着、今年の安田記念も4着と“G1級”の走りを見せた。大舞台で惜敗が続くが、不思議なことに重賞も未勝利。これには担当の大當助手も苦笑いを浮かべる。

 「なぜか届かなかったりで、いつも(前に)何かしらいるんだ。お恥ずかしいですね。何とかタイトルを獲らせてあげたいです」

 前哨戦のスワンS(2着)を使って本番に向かうのは、昨年と同じローテーション。1年前より着順は1つ上げたが、またしても重賞タイトルに届かなかった。同助手は「枠(14番)もあって、位置取りが悪くなってしまった。(外に)持ち出す時にスッと出せていれば」と回顧。差し届かなかったが、上がり3F最速(33秒2)の末脚は光っていた。

 大舞台に向けて、きっちり仕上げてくるのが藤原英厩舎だ。これまで何度も前哨戦の敗戦から本番で巻き返してきた。今回も休み明けを叩いて、良化気配を感じ取れる。

 「レースを使ったダメージは今までで一番少なかったし、この中間の調整も楽だった。出来自体は昨年も凄く良かったけど、同じぐらいに持っていけるかな」

 6歳を迎えたが、キャリアはまだ16戦。馬の成長を見ながら、じっくり育ててきた。「トモの弱い馬だったけど、しっかりしてきた。完成形に近づいてきたね」と目を細める。

 5センチの鼻差に泣いた昨年から1年間の進化を見せる時が来た。大當助手が力を込めて言う。

 「スムーズにいければ勝ってもおかしくない。メンバーは強いと思うけど、手応えを持っていけるかな」

 遅咲きのディープインパクト産駒が開花する瞬間は目前に迫っている。

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2015年11月17日のニュース