【岸和田・高松宮記念杯】G1・6勝目!武田が舞った「仲間あってのV」

[ 2015年6月22日 05:30 ]

仲間からの胴上げに笑顔の武田

 武田が6度目のG1制覇を決めた。「第66回高松宮記念杯競輪」の決勝戦が21日、岸和田競輪場で行われ、武田豊樹(41=茨城・88期)が優勝。賞金2890万円(副賞含む)と「グランプリ2015」(12月30日=京王閣)の出場権利を獲得した。武田のG1優勝は14年9月の前橋オールスター以来6回目。

 最後はやはりこの男。優勝戦のゴールに真っ先に飛び込んだのは武田。同じく岸和田で行われた昨年のグランプリのデジャビュのような光景だった。

 「前(平原)のおかげ。勝ててホッとした」。武田が感謝したシーンがある。最終周回。トップスピードで前を追った平原は村上を厳しくけん制。最高の仕事をする相棒の姿を後ろから見つめた。「平原君もきつかったと思う。ギリギリまで判断した。ただ、もう駄目だと見極め、外を踏んだ」

 後退していく平原の思いをつなぐようにサッと稲垣の後ろへ。直線、懸命に踏んだ。過去2回、当地でビッグレースを制した「岸和田の鬼」。稲垣を豪快に抜き去って今年G1初Vを決めた。

 昨年のGPを制してからも安定した成績を残してきた。だが、武田自身は決して満足していなかった。今年から始まったギア規制の影響がジワリと効いていた。「自転車は何回も換えたし、トレーニング内容も変えた」。最初は結果が出ず苦しんだが、ようやくフィットしてきた。納得できる手応えになったのは最近のことだ。長く競輪界をけん引する男も41歳。今大会の前に本厄のおはらいに行った。「年齢のことは言いたくないが確かに疲れを感じることもある」と漏らしたことも。さまざまな苦しみを乗り越えてのVだった。

 この優勝で年末のグランプリ出場を自力で決めた。「仲間があってのV。今後もいい練習をしっかりとやっていきたい」。勝って油断なし。王者はさらなる進化を自分自身に求めていく。

 ◆武田 豊樹(たけだ・とよき)1974年(昭49)1月9日、北海道斜里町生まれの41歳。私立釧路緑ケ岡高卒。03年7月プロデビュー。通算900戦363勝。通算取得賞金は12億1553万円。主なビッグ優勝は第62回日本選手権(09年)、第52回、57回オールスター(09、14年)、第63回、66回高松宮記念杯(12、15年)、第54回競輪祭(12年)。ソルトレークシティー五輪(02年)スピードスケート500メートル8位。1メートル77、90キロ。血液型O。

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