【函館記念】トウカイパラダイス、躍動12秒2!柴山「凄くいい」

[ 2014年7月17日 05:30 ]

函館ウッドコースで、柴山を背に単走で追ったトウカイパラダイス

 夏の函館フィナーレを飾る名物重賞「第50回函館記念」の最終追いが16日、函館、札幌競馬場で行われた。3年連続挑戦のトウカイパラダイスはWコース&単走でシャープな伸び。函館競馬場で誘導馬を務める同じ田所厩舎の先輩エリモハリアーの前で、悲願の重賞初Vの期待が膨らむ。

【函館記念】

 函館に来れば、トウカイパラダイスは水を得た魚。Wコースをひたむきに単走で1周。直線では鞍上・柴山の左ステッキが2発飛ぶと、グイッとひと伸び。5F66秒4~1F12秒2。鋭く、力強く駆け抜けた。

 柴山が笑顔で引き揚げてきた。「(ラスト)1F12秒前半?いい動き。凄くいい状態で臨める。以前はハミにモタれて伸び切って走るような面があったが、いいフットワークになった」

 12年4着、昨年5着に続き、3年連続の函館記念挑戦。ぶっつけ本番になった昨年と違い、今年は鳴尾記念(9着)を使い臨戦。栗東で十分乗り込み、先週9日に函館入りした。動きを見届けた田所師も「レース間隔はあるので、しまい重点でそれなりに時計は出した。柴山君もいい感触をつかんでくれた。そうそうたるメンバーが相手だが、パラダイスの競馬をしてくれれば」と力を込めた。

 田所師&函館記念といえば、05~07年に3連覇を飾ったエリモハリアーが思い浮かぶ。切っても切れない縁だ。レース当日の直前10Rは、ファン投票で選定されたJRA60周年記念競走「函館の名優エリモハリアーC」が実施される。指揮官は「できれば10Rも使いたかったが、自分が管理した馬のメモリアルレース当日の重賞に送り出せるのは本当にうれしいこと。大阪杯(2着)だけ走れば、チャンスはある。ドラマを演出できれば…」と胸を高鳴らせている。

 今夏函館リーディング4位(9勝)と好調の柴山も手応えは十分。前走・鳴尾記念は他馬に競られたのが響いたが、2走前の大阪杯はキズナと0秒2差。G3なら、すぐ勝てる力は秘めている。鞍上は「前走はこの馬の良さを出せなかった。スローのヨ~イドンはよくない。他は気にせず、気分良く走らせたい。何とかしたいし、それができる馬」と力強く結んだ。

 現在、函館競馬場の誘導馬を務めるエリモハリアーは函館記念でも先導を務める。偉大な先輩が見守る中、悲願の重賞初Vがかなえば、これほど劇的なドラマはない。

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2014年7月17日のニュース