【宝塚記念】ゴールドシップ 横典万全仕上げ「ライバルいない」

[ 2014年6月26日 05:30 ]

新パートナーの横山典を背に坂路で追い切られたゴールドシップ。連覇に向けて万全の調教

 ゴールド連覇へ万全!中央競馬、春のグランプリ「第55回宝塚記念」の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。昨年の覇者ゴールドシップは、3週連続で栗東に駆けつけた新コンビ・横山典弘騎手(46)を背に坂路で軽快な動き。馬なりながらも前向きな走りでしっかり伸び、7着に敗れた天皇賞・春からの反撃ムードを感じさせた。同レースの出走馬、枠順は26日に確定する。

【宝塚記念】

 馬場開場直後の朝6時過ぎ。坂路に白い馬体が登場すると、報道陣の視線が一点に注がれた。3週連続で栗東に駆けつけた横山典を背に、ゴールドシップはブラヴィッシモ(2歳新馬)との併せ馬で最終仕上げ。パートナーを3馬身追い掛ける形でスタートすると、序盤はゆったり運んで、残り2Fからじわじわと加速。ラスト100メートルで外から馬体を併せると一瞬で抜き去り2馬身先着。それでも最後まで手綱は抑えられたままだった。

 人馬一体となった走りで4F53秒5~ラスト1F12秒2をマーク。今年2度目のダービー制覇を飾った名手は「順調。それに尽きる。馬とのコンタクトが滑らかになったのが良かった。初めて乗った時は馬も僕も手探りだったが、少しは打ち解けたんじゃないかな」と笑顔で好感触を伝えた。ゴールドシップは気持ちで走る馬。天皇賞・春7着はゲート入りの際、係員に後ろから尻を触られて気分を害してしまい、出遅れたのが敗因。繊細でプライドの高い馬なのだ。

 そのあたりも考えて、横山典は3週続けての調教騎乗で一発もムチを入れなかった。ゴールドの気持ちを最優先した追い切りを実戦したのだ。「まともに走れば能力はある。もう、僕がどうこうする馬じゃない。気分が向くか向かないか。“ああしろ”と押しつけるのではなく、“お願いします”という心で接してきた」。まさに“気持ちよく走りやすい雰囲気に持っていくのが自分の仕事”と言わんばかり。馬との関係を大切にするベテランならではの仕上げだ。

 調教後のスタンドで、東西のベテラン騎手同士のやりとりがあった。横山典が「ユタカ、まるでメジロマックイーンみたいじゃないか!?」。マックイーンはゴールドシップの母の父で、武豊が主戦を務めた名馬。この問いに対し、現役時代の雄姿とダブらせた西の名手は「首の使い方なんかはそっくりですね」と答えた。両ベテランの意見は、93年宝塚記念などG1・4勝の名ステイヤーに酷似していると、ピタリ一致した。

 「ライバルは?」の問い掛けに横山典は「いない。あとは彼(ゴールドシップ)次第」ときっぱり。「僕もゴールドのパフォーマンスを見せてほしいと思っている。今からレースが楽しみ」。91年メジロライアン以来23年ぶりの春のグランプリ制覇へ、高揚感を抑え切れない様子。ファン投票1位、5万1366票もの支持を集めたゴールド。多くの期待と夢を乗せ、史上初の宝塚記念連覇へ――。出航の準備は整った。

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