【安田記念】完全復活の平田勢 ブラックヒル&グランデッツァ

[ 2014年6月4日 05:30 ]

平田厩舎の看板馬2頭(右)カレンブラックヒルと(左)グランデッツァ。鮮やかに復活した実力馬から目が離せない

 今週は春の最強マイル王決定戦「第64回安田記念」。完全復活した平田厩舎の看板馬2頭に激走ムードが漂っている。前走・ダービー卿CTで復活したカレンブラックヒルは、NHKマイルCを制した思い出の東京マイルで再びG1戴冠へ。前走・都大路Sで日本レコードを樹立し、屈腱炎から立ち直ったグランデッツァもG1候補と呼ばれた大器だ。

【安田記念】

 全休明けの3日、安田記念に2頭を送り込む平田師は底抜けに明るかった。当然だろう。苦難を乗り越えた同期・5歳馬が共に復活。カレンブラックヒルは前走・ダービー?CTで3歳時の毎日王冠以来、1年半ぶりの白星。一方、前走・都大路Sで衝撃的な日本レコード(1分43秒9=芝1800メートル)を樹立したグランデッツァは、実に2年2カ月ぶりのV。鮮やかな復活劇だった。

 ブラックヒルの方は3コーナーで他馬に一度抜かれながら、内から執念で差し返した。平田師は「競られながら、最後は盛り返したからね。(2番目に重い)ハンデ57・5キロを背負っていたし、強い内容だった」と笑顔で振り返った。

 予兆は感じていた。それは動きの良さだ。指揮官いわく「稽古と競馬が直結するタイプ」。2走前の阪急杯(11着)にしても、控える競馬が実を結ばなかっただけ。動き自体は良くなっていたという。「昨秋マイルCS(18着)の頃は正直状態も悪かった。あの頃と比べると全然違う。魂が入ってきた感じだ」。舞台は無傷4連勝でNHKマイルCを制した東京マイル。3歳秋の毎日王冠では、同期ジャスタウェイを完封した実力派。闘志が戻った今ならば、2度目のG1制覇の期待は膨らんで当然だ。

 一方、グランデッツァはダービー(10着)後に左前屈腱炎を発症。約1年7カ半の長期休養から、不死鳥のように立ち直った。「まさか、あそこまで強い競馬をするとは…」。指揮官を驚嘆させた前走の復活劇。脚元への負担と新たな適性を見極めるため、復帰2戦はダートを使ったが、体調アップ&久々の芝が結果に直結した。さすがは3歳時に“クラシック候補”と呼ばれた逸材だ。師は「幸い反動はなかった。距離を延ばすより、むしろマイルも合うと思う。スピードがある馬だから。あとは、いい馬場でやらせてあげたい」と意欲的に話した。

 同期2頭が実戦で顔を合わせるのは、意外にも初めて。先行力のブラックヒル&切れのグランデッツァ。完全復活した平田厩舎2頭に、大仕事の予感が漂っている。

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2014年6月4日のニュース